…18。
サーと血の気が更に引いて、青い顔がもはや白になりそう。
カタカタと体が震えてきちゃうくらいだ。
「…へぇー、で?どうなのそこんとこ…?」
朝比奈の冗談に付き合うつもりなのか、目が全然笑ってない笑みを浮かべてこっちに向き直った無限は、蒼白どころか漂白された俺の顔色に気付いたみたいだ。
「っおい!大丈夫か!?」
カタカタ震える腕を掴まれ、焦った声を出しながら心配そうに覗き込んでくる。
「ぁ…」
喉の奥が乾いて舌が上手く動かなくて、口の中で小さな悲鳴みたいのを上げた。
「夕陽!」
「は?いやいや、冗談だって!まだ何にもしてねぇよ?」
「まだってなんだ、まだって!」
咎めるように朝比奈の名前を呼んで無限が睨むと、こっちもこっちで俺の様子に焦ってるみたいだ。
必死に首を横に振ると、どうしたんだ?とばかりに二人の視線が俺に集まった。
「あああああの……違っ…て、なんでもな…朝比奈と何もしてな…」
例によって例の如くどもりまくった俺の言葉に、無限は朝比奈を睨みつけたが、本当になんでもない濡れ衣だと朝比奈は両手を振っている。
しばらく睨んだ後チッと舌打ちした無限は、突然腕を伸ばして俺の頭をそっと触れた。
そのままゆっくりと動いた手のひらが、頭を撫でているんだと気が付いたのはしばらく経ってからだと思う。
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