…6。
「っ…にょわぁぁぁあ!!」
反射的に叫び声を上げて手を払った俺に、さすがの朝比奈も驚いたみたいだ。
ツリ目の目を一瞬見開いて直ぐに細められたが、怪訝な表情が読み取れる。
てか、「にょわぁぁ」てなんだ、「にょわぁぁ」って!
自分の叫び声にセルフツッコミを入れながら、この気まずさをどうすればいいのか誰か教えてくれ!
てか、ツッコめ!気まず過ぎるだろうが!
些か他力とも言える思考を巡らせながら唇を噛み締めると、シン…と静まり返っていた室内が更に静かになった気がするのは気のせい?
…居たたまれない。
もういっそ逃げ出そうかとさえ思い始めた頃、沈黙を破ったのは朝比奈だった。
「……お前、」
「……。」
…なんだよ。
中途半端でまた黙った朝比奈の雰囲気が、シリアス過ぎてどうしていいかわかりません!
言うなら最後まで言い切れよ。
ついでにまたお前呼ばわりとか、目上なんですけど。…一応。
「……なに?」
つい不機嫌になりながら聞き返した俺は、また手を伸ばしてきた朝比奈にビクリと肩を震わせた。
けど、その手は俺の頬に触れる寸前で止まり、空気だけが頬を撫でて。
「…泣いてたのか?」
………は?
泣いて?って、あっ!
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