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…6。





朝会が終わると、ファイルを持って教室に向かった。
勿論、向かうべき教室は二年D組だ。



他の学校はどうなのかわからないが、この学園では新任教師をすぐに担任にあてがったりはしないらしい。
最低一年間は、副担として勉強と知識を叩き込み、担任を任されるのはそれ以降だと、先日教えられた。

やっぱりお金持ち校という事もあって、半端な教師をあてがうわけにはいかないんだろう。
…モンペとか怖そうだし。
別に勉強は嫌いじゃないし、そのシステムもいいと思う。



けど、


前を歩く鼻歌混じりの無限から目を逸らすと、そっと溜め息を吐いた。



…無限と一緒ってのがネックだよな。



本当にこの人で大丈夫なのか、なんて失礼な事を考えてしまうのは、軽薄そうな性格の所為だ。
この間の恋人宣言(?)といい、緩そうな下半身といい、迷惑を省みない俺様言動といい…。


しかも、あれから教室に行くのは始めてだったりする。


…からかわれたりしたらどうしよう。


別に胃痛持ちとかじゃないのに、心なしかキリキリ胃のあたりが痛む気さえしてくる。




「はぁ…。」


もう一度大きな溜め息を吐くと、突然目の前に影が落ちた。


「大丈夫か?」


驚いて顔を上げると、そこには心配そうに俺を見る無限がいて、


「だ!…大丈夫です…。」



むしろアンタが原因です!と言ってやりたい。
…そんな度胸もないけどさ。



俺の言葉に一瞬疑わしい表情を作った無限は、多分「大丈夫」だとは思ってくれなかったんだろう。

それでも、「そうか。」と小さく返して、持っていたファイルを一つ手渡してきた。






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あきゅろす。
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