…19。
「…用が、あったから…」
「翔汰に?どんな?」
「それは…、」
チラッと俺を見た零蒔くんは、ぷくっと頬を膨らませてそっぽを向きながら言った。
「…親衛隊になってあげようかなって思ったんだもん…」
「!!」
「はぁ?」
呆れた声を出した朝比奈とは裏腹に、俺は衝撃を受けた。
…なんて…、
なんて可愛いんだ!
普通ならイラッとしちゃうような上から目線なのに、ぷくっと膨れた頬と伏せ目がちな顔が絶妙に可愛いです!
本当、マジチワワ!いやどちらかといえば血統書付きのにゃんにゃんです。マジ可愛すぎるー!
思わず撫でてあげたい衝動にかられたけど、引っかかれるからぐっと我慢。
ああ、懐いてくれたらいいのに。
完璧に懐いている朝比奈が羨ましいです。
「親衛隊にはならないって約束しただろ。」
「夕くんのには、ね。」
「親衛隊自体が駄目なんだ。
それじゃなくても無限の弟だからって、贔屓だなんだって言われてるんだろ。」
「お兄ちゃんと僕は関係ない。」
「…まわりはそうは思わないんだよ。」
朝比奈のため息混じりの言葉は、ぶっきらぼうだけど零蒔くんへの心配がにじみ出てる。
零蒔くんもそれがわかっているのか、膨れっ面だけどそれ以上言い返すことが出来ないみたいだ。
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