…16。
「なんか、悪かったな。変なの連れてきて。」
「え?」
そういえば、一緒にきたんだったって、今思い出したよ。
「…知り合いだったの?」
こういう言い方は失礼だと思うけど、朝比奈と縁がある風には到底見えなかったんだけど。
「いや。…まあ話には聞いて知ってたけどさ。マジ凄いな。」
朝比奈の話によると、どうやらあの二人は放課後になって途端に現れ、ずっと朝比奈に「インタビューをさせて!」と付きまとっていたらしい。
元々ここに来るつもりだったが、余計なのを連れて来たくないと撒こうと頑張ったらしいが、撒いたと思ってもすぐに見つかってしまったらしい。
諦めてインタビューをうけ、この後俺の所に行くと言うので一緒に来たというわけだ。
そっか、朝比奈もあのインタビューの餌食になったんだね…と生暖かい目を向けると、何を勘違いしたのか「助けなくて悪かったよ」と、バツの悪そうに謝られてしまった。
「いや、」
…別にいいよ?
あのテンションに一時間も晒されていたら、誰だって逃げたくなるだろうよ。
むしろ逃げ出さずに側にいたんだ。
そんな義務なんてないのに気持ちだけで嬉しい。
お礼をいいたいくらいだよ。
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