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…11。






自己紹介と共に差し出された名刺を受け取ったものの、これは何?名刺交換しなきゃダメ?生憎持ち合わせてないんですけど。

しかも尾上くんの名刺に『妄想代弁者〜 boys terror 〜 』というなんとも残念な肩書きがあるんですが、これは何でしょう。



「えっ…と、…これは?」

「尾上くんはちょっと中二病なのでスルーしてあげてください。」

「……カシコマリマシタ。」



間髪入れずに返された仲本くんの言葉に、尾上くんに深くかかわらない方がいいと判断した。

妄想代弁者なんて言葉だけでも不吉なのに、ボーイズテラーなんて横文字が付いたんじゃ避けて通りたくなるのは当たり前だろう。


美奈ちゃんをもう少しイタくしたらこんな感じなんだろうなぁ。とか思った事は内緒だ。




「それ…」
「…で?新聞部がどういった用件なの?」



…は?


突然、俺の言葉を遮って間に入ってきた予想外の人物に驚かずにいられない。



だって、さっきまで朝比奈に抱き付いてだよね?
なんで俺を守るように立ちはだかる必要があるの?

てか、俺が嫌いなんじゃないの?



「零蒔くん?」
「零蒔…ああ。確か君は古川零蒔くん、だったよね?無限先生の弟さんの。」

「……そうですけど?」



そうじゃなくても喧嘩腰なのに、無限の弟呼ばわりされた瞬間、さらに険悪な空気を醸し出した零蒔くんにヒヤヒヤしたのは俺だけじゃないと思う。
現に急いで駆け寄ってきた朝比奈が零蒔くんの口を塞いだし。






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あきゅろす。
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