…6。 「…まあ、ともかくだ。」 「?」 「着ぐるみだなんだでしばらくは注目あびてると思うけど、あまり気にするなや。」 「…いやぁ、それは気にしますよ。」 きっぱりと言い放った俺に横山先生は苦笑いをした。 ほら。 自分に自信がある人とかならまだしも、俺みたいな平々凡々はできれば無用な注目なんてあびたくないんですよ。 教師なんだから、注目をあびるくらい当たり前とか、そういうツッコミはいらない。 仕事は別です。 …まぁ、とりあえずみんなに注目されているのはわかった。 その理由はちょっと本意ではないけど、仕方ないだろう。 …でも、 「…これは予想してなかったなぁ。」 「ちょっと何ひとりでブツブツ言ってるんだよ。お茶なくなったのがわからないかなぁ。さっさと新しいのつぎなよ。気が利かないな!」 「ああ、はい。只今…」 ボロクソに罵ってくる零蒔くんに反論する気もせず、麦茶を冷蔵庫から取り出す俺は、さっきから帰る様子もない訪問者に戸惑っていた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |