…18。
「ああっあさひなっ!あのっ、そのっ、昨日はっ…」
「……」
「…昨日は、…ありがとう…」
…やっと言えた!
思わず、ふにゃりと崩れた笑顔になった。
たったそれだけの言葉なのに、やっと言えた事で達成感があるとかどんだけ。
だって、こんな風に改めて言うのってなんか緊張するんだもん。
昨日の事を考えたら、そりゃあもう羞恥で爆発しそうだけど、それでも感謝の気持ちは本物だ。
もしもあの時って考える度に、朝比奈にはいくら感謝してもしきれない。
「……」
「っ、」
いきなり、朝比奈の手に力がこもって息をのんだ。
ちょっと痛かったんですけど。
なんで?とばかりに見上げた朝比奈は、何故か苦虫を噛み潰したような顔をしていました。
うん、なんで!?
「…お前、たちわりぃ…」
「は!?」
何故お礼を言ってたちが悪いって言われるの!?
「期待した。無駄な期待した俺にムカついた。なんでこんなにじわじわ責められなきゃなんねぇんだ。生殺しか。マジムカつく。」
「は?え?はい??」
なんの抑揚もなく早口で言われた言葉は、理解するには早口すぎて。結局、最後の「マジムカつく」くらいしかわからなかった。
どうやら俺はマジムカつかれたらしい。困った。
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