…25。 横山先生の勘ぐりに呆れながら苦笑いをこぼすと、何故か心底残念なモノを見るような顔をされた。 「…あのな。お前は朝比奈を知らないからそんな事言えるんだぞ。」 「はい?」 「朝比奈はな、見てわかるように一匹狼なんだよ。群れるのも媚びを売るのも嫌い。現に、今まで誰かに懐いてるとこなんて見たこと無かっただろ。」 「はぁ…」 …無限には懐いてるじゃん。と言うツッコミはしちゃ駄目なんだろうな。 そんな力説されても困る、と言えたら楽だけど大人しく聞いていると、 「あんな公衆の面前でいちゃいちゃした挙げ句、理性無くすくらいキレさせといて無自覚か。 …朝比奈が不憫で仕方ないよ。」 「…ははは…」 涙を拭う素振りをする横山先生に溜め息が出た。 …もう、なんでもいいよ。 「…まぁ、とにかく。お前は“特別”なんだよ。」 「……」 …“特別”ねぇ。 まさかとも、もしかしたらとも思ってしまう自分に動揺しつつ、それを覚られないように笑ってみた。 「まぁ、肝に命じておきます。…課題ってこれですか?」 出来るなら、あまり考えたくないと思うのは逃げなんだろうか。 それ以上この話をするつもりは無いと暗に伝えると、課題を持って出口に向かった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |