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…32。






言葉を詰まらせて俯いた不良くんからは、後悔と反省が見て取れた。
それなりに反省はしてくれていたらしい。

視線を泳がせながら眉をひそめた後、チラリと朝比奈を見た不良くんは、それから俺をしっかりと見つめて深々と頭を下げた。



「…本当に…すみませんでした…」



いくら不良だとしても、元々お金持ちばかりが通う学園の生徒なんだ。きちんとした教養を受けていないわけがない。

学生時のやんちゃなんて基本的に若気の至りがほとんどだ。
故に、自分の過ちをしっかりと見つめ直す努力さえするならば、それを許せるくらいには、俺は大人であると自負している。



下げた頭の上に手を乗せると、ぐしゃぐしゃと頭を撫でた。

驚いたように少しだけ顔を上げた不良くんに笑いかけると、



「はい。」



しっかりと返事を放つ。
この出来事が少しでも不良くんの中に止まるように。
そして二度と同じ過ちを起こさない事を祈って。



それから、不良くんに残り二人の事を訊くと、二人は不良くんよりも重傷らしくベッドから起き上がれないらしい。

そういえば朝比奈は、黄色は壁までぶっ飛ばし、赤色は顎への一発でノックダウンさせていたはずだ。

てか、青色は鳩尾を踏みつけられてたっけ。
さっきの鳩尾パンチ、痛かっただろうな。







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