…1。
たった一日で色んな事があった。
…いや、一日じゃなくて、半日?
「…この調子なら大丈夫みたいですね。
でも、ちゃんと病院に行ってくださいよ?」
あれから、戻ってきた保健医の問診を受けた俺は、保健医の言葉に安堵の息をもらした。
何を言われるかと身構えていたが、やっぱりちょっと怖かったらしい。
一気に肩の力が抜けるくらいは医師免許を持つ保健医の「大丈夫」は威力があったみたいだ。
…まぁ、どの科を専門にしてるかは知らないけど。
それから、しっかり歩けるかを確認した後、
「それじゃあ無限先生、すみませんが翔汰先生を職員寮まで送っていただけませんか?」
「まぁ…、しゃーねぇか。」
生徒達の下校とぶつからないようにと、夏兄の計らいで無限に送ってもらい帰る事になった。
けど、
…夏兄は一体何を考えているんだろう。
「…無限先生、そのまま翔汰先生に付いててあげてくれますか?」
「え?」
「…は?」
夏兄の驚きの発言に二人でつい聞き返したのは仕方ないだろう。
「いや、俺は一人でも大丈夫だよ!」
てか、むしろ居られたら落ち着かないんだけど!
いくら心配だからって恋人を他の男に付いててなんてどうなの?と思いつつ、慌てて断った。
だって普通言わないでしょ?
少なくとも、俺なら付き合っている人が他の人の看病なんてしたら嫌だ。
…いや、それだけ夏兄が余裕ある大人だって事?
凄いな、と思いつつ丁重にお断りしたのは当たり前。
もちろん、無限も付き添うつもりなんて更々なかったみたいだけど。
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