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…36*。
※ちょっと注意。







「…ほんと、…やめて…」



例えば俺にもっと体力があって反射神経に優れていれば、手錠に繋がれた鎖を使って反撃したり、もっと抵抗出来たと思う。
けど、人数や体力差、しかもテンパってる所為もあって全然抵抗らしい抵抗に結びつかない。

今だって手錠以外は軽く後ろから羽交い締めされてるだけなのに、足が震えて立ち上がる事すら出来ない。



これが王道転校生とかだったら、族時代に身に付けた持ち前の強さであっという間にピンチを切り抜けたりするんだろうけど、生憎俺にはそんな過去は存在しないんだ。




「ぃやだ…っ、お願い…、」



切羽詰まった状況に、我慢出来ずに浮かんだ涙が今にも溢れてきそうだった。



「だぁめ。」
「っ、」



だけど、あっさりと俺の願いを断った黄色の目出し帽が俺のブラウスに手をかけてきて、



―プチ。プチ。



「やっ!やだ、やだっ、」



やけにゆっくりと、わざと俺の嫌がる様を観察するように一つずつボタンが外されていく。


耐えられなくなった涙がポタポタと頬を流れていくのを、少し離れたところから一年生が見つめていた。




「…うるさいなぁ。」

「なっ、んふぅ、…んんっ」







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あきゅろす。
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