…16。
…なんでこうなった?
HRが終わり教室を出ると、無限の腕を掴んで歩き出した。
「…何?随分積極的じゃん。」
からかうような台詞にも負けずに、人気のない場所まで来ると、
「どうしてあんな嘘を!」
精一杯鋭い目で睨んだが、怒りで顔は真っ赤だし、少し潤んでる自覚もある。
迫力も何もない。
「…別に、誤解されて困る相手も居ないんだろ?」
「そうだけど!」
そうだけど、嫌だ。
こんなのまるで…、
「虫除けになってやるんだ感謝しろ。
これであからさまに迫ってくる奴はほとんど居なくなるんだぜ?」
まるでこれが最善の策みたいに胸を張る無限を見て、頭がカッと熱くなったんだ。
「…ふざけんな!これじゃ、マジでBLみたいじゃん!
俺は腐男子だけど、ノーマルだし、当事者になるつもりなんかない!
…元カノとの賭けに勝って結婚してやるんだから!
老後は老人ホームで過ごすって決めてんだからっ!!」
突然、意味不明な事を言い出した俺をポカンとした顔で無限が見つめる中、言うだけ言って走って逃げ出した。
その日はそのまま無限を無視し続け、
その夜、俺の中で一人反省会が明け方まで続けられたのは、秘密。
別に隣の部屋の無限が気になったからとか、そんな理由じゃない。断じて。
『入学式はふきのとうの後味』…end。
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