[携帯モード] [URL送信]
…11。








「…ほら。」



ぶっきらぼうに朝比奈が赤面スタッフに渡したのは、借り物のお題が書かれた紙だ。

一応、借り物競争にはゴール前にチェックポイントというものがあって、そこで運営スタッフがお題と借りてきた物が合っているのか確かめる事になっている。


もしここでお題と違うモノを借りてきた選手は、もう一度借りに行かなくてはならないらしい。結構面倒くさい。



「う、あ、はい!」



なにやら動揺しながら朝比奈から紙を受け取った赤面スタッフは、渡された紙を開くと更に真っ赤に顔を染めて勢い良く俺を見た。



「???」



…なんだその反応。
一体なんのお題だったんだ?



そういえばお題を聞かされてなかったと朝比奈を見たけど、何故か朝比奈は、視線に気付いている筈なのにこっちを向こうとしない。



「…なんて書いて、」
「いいのか悪いのかどっちだ。」



たまらずスタッフに訊こうとすると、タイミングを計ったように朝比奈に遮られてしまった。



…うん。コレ絶対確信犯。



だって、チラリと俺を見た後に小声で「OKです…」と呟く赤面スタッフに不安しか生まれない。


…だから!
なんて書いてあったんだってば!







[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!