…7。
「あ、さひなっ、…はぁ、…ちょっと、早いから…」
必死に朝比奈を呼んでいると、
「…一々、うるせぇな。」
朝比奈が振り返った途端、何故か浮遊感が俺を襲った。
「…………ぇ?」
思考停止って、こういう事を言うんだと思う。
今、自分に起こっている事が理解出来そうにない。
だって、何故か俺の視界の正面に朝比奈の横顔があるんだもん。
しかも、地面を走っていたはずの足が目に映っているのもおかしい。
膝の後ろに添えられた腕と背中から脇に回された手。
いつもより高い目線に違和感を感じながら、何となく今の状況が理解できそうだ。
…できるなら、したくないけど…。
「………あのさ…」
「あ?」
「……なんか俺、宙に浮いてない…?」
「まあ、浮いてるだろうな。」
「…なんでなのか、訊いてもいいかな…?」
恐る恐る訊ねた俺に、朝比奈は盛大な溜め息を吐いた。
…勿論、わかってはいるんだけど、理解はしたくないんです!
「…まぁ、アレだな。
“お姫様だっこ”」
…そっかぁ。やっぱりお姫様だっこかぁ。
「………………………。
○△※□×〜〜〜!?!!?」
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