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…19。








『―ここで最後の選手、無限先生がゴールです!』



俺がグダグダ言っている内に、無限以外の選手はゴールを済ませていたらしい。

放送につられてゴールを見ると、ちょうど無限と夏兄が手を繋いでゴールするところだった。



「……っ、」



…まただ。


チクチクと痛み出す胸に無限達から目をそらした。




「…つーか、無限先生遅すぎだろ。」
「……。」



…そっか、知らないんだ。



先にゴールをした生徒の一人の呟きが聞こえてきたけど、どうやら夏兄の事は知られていないらしい。

二位にお題を拾ったのに最下位?と思うかもしれないけど、元々紙を拾ってから夏兄の所に行くまでに相当時間をくった無限だ。
しかもそれにプラスして、残念な事に夏兄も俺に負けず劣らず鈍足だったりする。


夏兄だけじゃない。
俺の家族や夏兄の家族、はたまた祖父や祖母やみんな。
断言出来る程の運動音痴な家系なのだ。


俺は朝比奈に抱き上げられていたからそこそこ早かったけど、しっかり二人で走りきった無限が最下位だったのは納得の結果だろう。




「…はぁはぁはぁはぁ、っ」



俺よりもヤバいんじゃないかってくらい、必死に息をととのえる夏兄と大きく一息だけ吐いた無限の元にスタッフがやってきた。








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