…14。
『緑チーム、このまま逃げ切りました!今ゴールです!』
「…っ、はぁはぁ、」
ゴールテープを切ったところで、俺は朝比奈と手を繋いだまましゃがみ込んだ。
…つ、疲れた…。
酸欠で倒れるんじゃないかと思うくらいに激しく深呼吸を繰り返していると、転んだ所為で一位を逃した桃チームが一足遅れてゴールしてきた。
「…くそ…!」
悔しそうに悪態をつく桃チームの不良選手のジャージの膝は砂だらけ。桃色Tシャツも派手に汚れてしまっている。
「……大丈、夫?」
まだ息は整っていなかったけど、そのまま放置しておくわけにはいかないと思った俺は、なんの疑問も持たずに声をかけた。
まさか、それが相手のプライドを傷付けるなんて、これっぽっちも考えなかったんだ。
「……」
「!?」
キッと睨まれて思わず一歩後ずさると、あからさまに苛立った顔をした不良選手が口を開いた。
「足が遅い変な格好のヤツに同情されたくねぇんだよ!」
「…!」
「ああ゛?なんだテメェ…」
「朝比奈っ!」
不良選手からの言葉に傷付いたのは確かだけど、直ぐに反応した朝比奈が一触即発の空気をかもし出した事でそれどころじゃなくなってしまった。
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