…5。
…うわぁ、生チワワだ。
ぶっちゃけ、俺の担当する二年生の美形は大人っぽい人が多い。男前だったり美人系だったりするけど、チワワ系はあんまりいないんだよね。
ふと、襟に付いた学年章を確認すると一年生を表してる。
そっか、一年生なのかぁ。
とか思いながら、それなら尚更自分のところへ来た意味がわからない。
だって俺は二年生以外に接点が皆無だから。
部活や委員会の顧問もしてないし。
…なんで?
思わず首を傾げそうになった俺は、一年生がにっこりと微笑んだ事で我に返った。
「こんにちは、原田先生。」
「…こんにちは。…えっと、一年生は第三生物室、だよ?」
もしかしたら一年担当の生物教師に用があるのかもと思ったけど、どうやら間違ってここに来たとかじゃないらしい。
にっこりと微笑んだ一年生は、ここでいいんです。とばかりに柔らかく首を振った。
…うん。なんで!?
それじゃ他の先生に用があるのかと思ったが、生憎ここには俺しかいない。
ぶっちゃけこの準備室に俺以外の生物教師がくる事はめったになかったり。
さて、俺はどうしたらいいものか。
「…えっと…、じゃあ、誰に用かな…?」
ここには今、俺しかいないんだけど。と呟くと、真っ直ぐを俺を見ていた一年生は微笑んだまま何故か右手を差し出してきた。
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