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…19。






「ありがとうございます。」
「いえいえ。」




ほんわかとした居心地のいい空気が流れた。
そのまま和んでいたい気もしたが、そうもいかないだろう。

そのままベンチに戻ろうかとも思ったが、その前にどうしても気になっている事がある。

訊いてもいいかな?って思いながら夏兄を見上げると、直ぐにそれに気付いてくれた夏兄が「どうかした?」と優しく尋ねてくれた。




「…うん…あのさ…。Tシャツの事なんだけど…。」

「Tシャツ?」




自分のカリフラワー柄のTシャツをつまみながら首を傾げる夏兄は、



「あ、これ?可愛いでしょう。白だからカリフラワーにしたんだ。」

「…もしかしてあの野菜Tシャツって…」

「うん?」

「…いや…何でも…」



…もしかして、もしかしなくてもこれって夏兄の趣味なの?



無地やワンポイント他の柄物ならまだしも、でかでかと野菜模様がプリントされたTシャツをなんの抵抗もなく着ちゃう事をツッコむべきなのか。
更にそれを可愛いと喜んじゃうところに驚くべきなのか。


そういえば夏兄の私服ってあんまり見たことなかったけど、なんかたまにお古で廻ってきた服にチラホラ変わった柄が混ざっていた記憶が…。






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あきゅろす。
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