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…15。






ベンチに着いて周りを見ると、ふと見慣れた夕日色の髪が見えた。



「あ、朝比奈。」



何だか久々に見る朝比奈につい名前を呟くと、それに気付いた朝比奈が直ぐにこっちを向いた。



「翔汰。」



久しぶりの所為だろうか。
何だかとても嬉しそうに微笑んだ朝比奈は、まるで懐いた人間に駆け寄る犬みたいだと思う。

こっちに向かって歩いてくる朝比奈に、尻尾がぱたぱた動いて見えるのは果たして俺の気のせいだろうか。いや、きっと気のせいなんかじゃない。

なんだか気恥ずかしくなって僅かに視線を落とすと、朝比奈の着ているTシャツが同じ緑色なのに今更ながら気付いた。



…そっか、同じチームなんだ。


そういえば二年はE組とだったな、なんて、すっかり忘れていた自分に苦笑いしそうだ。
まったく、どんだけ体育祭から逃避してたんだよ自分。




「今日は、…お互い頑張ろうな。」



ほらやっぱり同じチームだし、やるんなら出来るだけたのしみたいじゃん?
と言っても、俺は応援に参加するだけでいっぱいいっぱいだけど。むしろ、応援以外に参加したくない。


へへっ。って照れくささを隠しながら微笑むと、何故か朝比奈は少し眉間にしわを寄せてムスッとしてしまった。





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