…1。
テストが終わって早二週間。
その間にゴールデンウイークがあったりしたが、特に変わった事はなかった。
あったとすれば、歓迎会として職員全員で飲み会をしたくらいだ。
急ピッチで飲まされてあっという間に酔っ払った俺の記憶は曖昧だったが、失敗はしなかった…と思う。多分…きっと…。
「体育祭か…。」
嫌だなぁって気持ちを少しも隠すことなく、あからさまに溜め息を吐くのは、ここが生物準備室だからだ。
だって、生徒だけの行事(もちろん職員として参加はするが…)だと思っていた競技に教師も参加するなんて聞いてない。
…いや、もちろん今はちゃんと聞かされて知ってるけどね!
正直運動が大の苦手な俺には、苦痛以外の何物でもない。
体育祭を明日に控えた今日。
突然の腹痛にでも悩まされればいいのに…。
なんて教師らしからぬ現実逃避をして溜め息を吐いた。
教師だって人間だもの。思うぐらい許して欲しい。うん。
そして、明日の体育祭も悩みの種だが、俺には今、もう一つ悩んでいるっていうか、気掛かりな事がある。
それは…。
◇ ◇ ◇
話は、約二週間前に遡る。
前期テスト順位表を見た俺は絶句していた。
[次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!