…3。
「日本にはスキップがねぇから、勉強し直すのめんどいって言ってたのに。」
どんな心境の変化だよ。と欠伸混じりの無限の脇で俺はフリーズ。固まるしかない。
だって、それって始めから勝算があったって事だよね?
え?俺、騙された?
いや、でも実際にはメチャクチャ頑張ったのかも。
いやいやしかし…どっち!?
とりあえず、今わかってる事は、朝比奈にご褒美とやらをやらなければならないという事。
カ●オくんのクセに頭いいとか詐欺だ。
苦々しい気持ちで舌打ちした俺は、隣で無限が怪訝な視線を向けている事に気付かなかった。
「…どうかしたのか?」
「いえいえ…別に…あははは。」
無限の言葉を話半分で流しながら、頭の中は朝比奈の事でいっぱいだ。
だって、ご褒美って何をすればいいの?
パニクりながら考えた俺は、すぐに朝比奈が決めるんだったと思い出した。
ああ、何故あの時の自分は、適当に自分に害のないご褒美を提案しなかったのか。
何故朝比奈に任せてしまったのか。
そもそも、なんでご褒美をあげなきゃならないのかっ!
…なんでだろう。釈然としない。
それから俺は、いつどんなご褒美を朝比奈にあげる事になるのかをずっと考える毎日だったが、何故かそれから朝比奈と接触する機会に恵まれなかった。
ゴールデンウイークがあったのも関係しているが、テスト後すぐに準備期間に入った体育祭も大きく影響していると思う。
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