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…10。




「そういうのって、どういうの?」
「えっ!?」


まさか聞き返されるなんて思ってもみなかった俺は、顔を真っ赤にして動揺してしまった。


…え?何これ!羞恥プレイ?
言うの?言わなきゃなんないの?

チラチラ無限を見ながら言いよどむと、何でも訊いてくれとばかりに「ん?」なんて優しげにきいてくる。


くそー。言うのか。言わなきゃいけないのか。



「…だっ、だから……男同士……」


ごにょごにょと言葉を濁しながらやっと単語だけを絞り出すと、


…あれ?なんかめちゃくちゃ笑ってないか?
もしかして?


ニヤニヤと意地悪な笑みを浮かべる無限にからかわれていると気付いて、思いっきり顔を歪ませた。



「…からかいましたね?」

「いや?予行練習だぜ?」



…予行練習?


「噂通りの所だからな。覚悟しとけよ。」


そんな覚悟したくない。
是非ともご遠慮したいです。



「十中八九、こういう状況になる。精々うまくかわせよ。」
「……。」



…ああああ〜。やっぱりいるんだリアルゲイ。

気分は急降下。
美奈ちゃんへのメールには事欠かないと思うが、何とか自衛を心掛けないと!



そう思った瞬間、
…唇を吸われました。



「ん!?…ふ、…」


黒板に頭を押し付けられて、ただ押し付けられるだけのキス。
って言っても、俺がギュッと一文字に口を閉じているからで。
無限は割れ目に添って舌を入り込ませると、食いしばった歯列をなぞりながらゆっくりと離れた。



ドンッ!

…最悪だ。

唾液の付いた唇を拭い突き放した無限を睨み付けた。


「…何、するんですか…」



沸々と沸き上がる怒りに、俺ってこんなに低い声出たんだ…と思うほど怒気を含んだ声を発する。
けど、怒りをぶつけた相手は何食わぬ顔をしてて。



「ん?予行練習?」



………………………は?






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