『オレ×オレ』 …21。 「…蓮。泣いてんの?」 遊佐の言葉に、心臓が激しく波打った。 とっさに遊佐の上から離れると、 目を反らした。 「寝ぼけてんじゃねぇよ…。 彼女と間違えた?」 「……。」 黙ったままの遊佐。 「泣いてねぇよ? …アレルギーでさ?ハウスダストってヤツ。」 必死に誤魔化したが、大丈夫だろうか。 遊佐の顔が見れない。 「……そっか…。」 そう言って、俺の頭をぐしゃぐしゃにすると、 「悪かったな。寝ぼけてて。」 と、笑った。 「そう言えば、掃除機かけたのいつだろ?…覚えて無いんだけど?」 「道理で。汚いと思った。」 そんな、当たり障りの無い話をしながら、心臓がバクバクしている。 「…昨日は悪かったな。なんか、色々迷惑かけただろ?」 昨日、ヤってしまったであろう出来事を謝ると、 遊佐は、ちょっと意地悪そうな顔で昨日の出来事を話出した。 「! ……。 ………。」 俺って、 本当に最悪だ…。 聞いているうちに、 いつの間にか正座にになり、 最後には土下座をしていた。 「…す、すみませんでした…」 「いや?貴重な体験をさせていただいたよ?」 しかも、トドメのイヤミ付。 畜生! 自業自得なだけに何も言い返せない…。 [*前へ][次へ#] [戻る] |