『オレ×オレ』 …8。 「あれ?遊佐は?」 中庭に寝転んでいると、どこから嗅ぎつけてきたのか、山田と岡崎に蹴り起こされた。 「…蹴るなよ。」 背が高く、面倒見のいい山田一浩。 がっちり筋肉質の体育会系の岡崎勝利。 そこに、 いつも笑顔で社交的な遊佐恵介。 面倒くさがりの俺、石田蓮太郎。 を加えた4人は、学内でもちょっと有名だった。 それもこれも全部俺のせいだけどね。 金髪に左耳だけ5つのピアス。左手の手首に蓮の刺青という出で立ちで、適当に女と遊ぶ。 そんな生活を送っている、教師の卵。 学部内でもかなり浮いていた。 「絶っっっっ対! お前にだけには子供を預けない。」 「えぇ。言っとくけど俺、真面目だよ?」 「成績の話じゃない!生・活・態・度!」 よく山田と岡崎に言われたものだ。 そのたびに遊佐が二人を宥めてたっけ。 「遊佐なら、結花ちゃんと一緒。」 「マジ? ったく。本当に仲良いよな。」 彼女のいない岡崎がひがんでいる。 「一人紹介しようか?」 俺の申し出に、 「お前と穴兄弟になるつもりはありません!」 とキッパリ断られた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |