『花束を君に』 4*1 日曜日。 いつもの図書館ではなく。公園のベンチに私は座っていた。 …空が青い。 よく晴れた空を見上げた。 膝の上には文庫。脇に昼食とお茶の入った紙パックを置いて溜め息を吐いた。 明日から仕事だ。 まだ気持ちは晴れない。 気持ち良過ぎる小春日和に悪態をつけたくなってきた。 連休前に深田さんの為にオススメの本を一週間分探して、館長にお願いしておいた。 未練たらしいのは分かっていたが、なんとなくそれだけは止めたくなかった。 館長、渡してくれたかな…。 いつの間にか、また深田さんの事を考えている。 もう! もっとあるでしょう!他に考える事ぐらい! …駄目だ。帰ろう。 さっさと昼食を詰め込むと大通りに向かって歩き出した。 折角取った有給も無駄に過ごしてしまった。 結局何もすることがなく、毎日ぶらぶらと近所を徘徊しているだけだった。 新しい出会いとかないかな…。 溜め息混じりに暫く進むと道の向こうに花屋を見付けた。 [次へ#] [戻る] |