『花束を君に』
last*4
二、三日が過ぎた。
やっぱりちょっと物足りない。
いつものように図書館のカウンターに座りながら溜め息を吐いた。
一か月以上続けていた生活をいきなり変えるというのは、何だか調子が狂ってしまう。
昨日も仕事帰りにマンションの前まで行ってしまった。
無意識なんだから仕方ないと思いつつ、未練たらしいと笑ってしまった。
閉館15分前。
深田さんが来ることはない。
本は香苗さんの為に借りていた物だから。
香苗さんがいない、今になっては、その必要はなかった。
何か新しい事でも初めようか…。
動物でも買ってみる?
深田さんを思い出してみた。
例えるなら、何だろう?
犬か猫かと言われたら、やっぱり猫かな…?
尻尾を振っている深田さんは想像出来ない。
猫耳を付けた深田さんを想像して、思わず吹出してしまった。
…似合いすぎ。
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