『花束を君に』
8*5
胃に優しいものを作った方がいいかも。
あっさりとしたスープとお粥かな?
会計を済まそうと鞄に手をやると、さっき渡された手紙に気付いた。
…まだ読んでなかった。
一人で読もうと、店から出ると公園に立ち寄る事にした。
『カスミちゃんへ。
もう一度くらい話したかったけど、ちょっと無理っぽい。
私としては、戦う気満々だったんだけど、しょうがないから貴女の不戦勝にしておいてあげる。
“続きはあの世で”って事で。
それまで、智央は貸しといてあげるわ。
真面目でちょっとムカつくかもしれないけどね。
湿っぽいのも回りくどいのも苦手なの。
単刀直入に書くと、私がいなくなった後の智が心配。
昔、智の母が死んだ時もひどかったから、悪いんだけど、面倒みてあげて?
迷惑なのは分かってる。
少しの間だけでいいから。
それでも、愛想が尽きなかったら、その後はあの世で争奪戦ね。
それまでに腕を磨いておくから。
もう、あんまり時間がないみたい。
智央の事、よろしく。』
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