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『花束を君に』
8*6

どんな気持ちでこれを書いたんだろう。
消えて行く命の灯の中、最後まであの人だけを想って…。
それだけで、すでに香苗さんの勝ちだ。
敵う筈がない。

だけど…。
絶対に深田さんを元に戻してみせる!

心の中で香苗さんに誓って、手紙をしまった。


家に戻ると早速食事を作った。

掃除に洗濯…。
しなくてはならない事が山程ある。

館長に連絡すると、薄々気が付いていたのだろう。
『今日はこのまま休んでいいから。
ちゃんと仕事さえ出てくれれば、こっちは構わないよ。』
と言ってくれた。

たぶん、こうなる事も予測していたに違いない。


片付けは一日では終らず、暫く深田さんの家に通う事に決めた。

迷惑だと言われても構わない。
こっちは奥さんの御墨付を貰っているんだ。

深田さんが立ち直るまでは、どんなに嫌われても止めるつもりはなかった。
 
 
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