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『花束を君に』
1*4

会員証を見た。
深田…智央?
なんて読むんだろう。
“ともお”?

何歳くらいなのだろう。
30代前半、かな?
眉間に寄った皺はもう少し年上にも感じる。

「それじゃ、ご返却は1週間になります。」
深田さんは無言のまま本を受け取るとさっさと出て行ってしまった。

…深田さん、ねぇ。
ちょっと興味を持った。
貸出し記録を確認すると、結構借りている。
特にここ一年程は毎日借りに来ている事が分かった。

“ともひろ”って読むんだ。

「…ちゃん。霞ちゃん?」

「はい!」
館長の声に我に返ると、しっかりしなよと肩を叩かれた。
「閉館準備だよ。」
「は、はぁい。」

さぁて、とりあえず閉館しましょうか。

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