『pinch or chance?』
★11
「いい本持ってるじゃないか。」
「昨日慌てて持って帰っちゃったんです!」
乱暴に棚にいれると曲がれ右した。
今度こそ関わらないで帰ろう。
…そういえば、昨日もこんな感じで帰ろうとしたんだ。
確か、名前を呼ばれて…。
あ!生徒手帳!!
「生徒手帳!返して下さい!」
走り寄ると康ちゃんはニヤニヤしている。
ふてぶてしい!
「今まで忘れてたんだろ?」
グッ!
反論できない…。
「まぁいいや。
ちょっと座れや。」
仕方なく椅子に座った。
「で?いつから稚葉が好きなの?」
「わー!!」
いきなり核心かよ!
「シー!シー!
大きな声で言わないで下さい!稚葉ちゃんが聞いてたらどうするんですか!」
口を押さえた俺の手を払いのけると
「お前の声の方がデカいよ。」
ああ言えばこう言う!
「大丈夫。今日はこっちにこないから。」
…本当か?それならいいが。
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