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『pinch or chance?』
☆10

…昨日は気が付かなかったが、ちゃんと看板がたっているではないか!

図書館の前に立つと看板を見た。

『私立本堂図書館』
とちゃんと書いてある。

なんでこんなボンミスを!…それだけテンパっていたということか。

冷静さのない自分にちょっとガッカリした。

入口をはいり、辺りを見回したが、稚葉ちゃんの姿は、ない。

ちぇ。

仕方がない。大人しく本を返して帰ろう。
康ちゃんがいないことを祈りながら、昨日の場所に直行した。

たぶんこっちだった筈だ。
そびえ立つ本棚を抜けると
………いた。

椅子に座って康ちゃんが嬉しそうに本を読んでいる。
いなくていいのに…。

見つからない様にそっと棚に返して帰ろうとしたその時…。

「よっ!和弥!」

!いきなり呼び捨て!?
見つかってしまった。




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