『pinch or chance?』
☆22
渡り廊下。
場所はベタだが、ここならあまり人は来ないだろう。
「おじいちゃんに何かされた?」
「いや…。そうじゃなくて…昨日の事なんだけど…。」
「?」
何故だ。怪訝な顔をしている。
わざと…?
ヘコむ…
「…昨日の…携帯の」
「!おじいちゃんに聞いたの!?」
伝わった?
「…やだ」
やだ!?
フられた…!
俺は悲しさの余り駆け出した。
「え?ちょっと、青木くん?」
ほっといてくれ!フられた奴のアフターケアなんてしなくていいよ!
「………行っちゃった。
なんだったの?」
後日知ったが、前日に携帯をトイレに流してしまったらしい。
彼女が言おうとしていたのはその事だった。
それじゃ、俺の告白は、稚葉ちゃんに届いていなかったって事!?
また俺は告白の仕切り直しか!?
一生分の勇気を使い切った俺には、もうそんな力は残っている筈もなく…。
俺の淡い初恋は、終わった…。
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