『pinch or chance?』
☆20
結局、返事がこないまま夜が明けてしまった。
…これはフられたのだろう。
ずっと待ち続けるなんて馬鹿みたいだ…。
果てしなく落ち込んだ。
それでも、フられてもいいから返事をもらいたいと思うのは、しつこ過ぎるだろうか。
制服に着替え鞄を持つ。
もしかしたら、稚葉ちゃんは俺を無視するかもしれない。
それでもいいんだ!
とりあえず返事だけは貰ってみせる!!
…初めての徹夜で頭はハイになっていた。
変なテンションになっている。
ふふふふ…。
母が変な顔で俺を見ている。
ははははは…!
なぜか不敵に笑いながら自転車に跨がると、勢いよくペダルを踏み込んだ。
「どうしちゃったのかしら、あの子…。」
玄関で呟く母の声は届かなかった。
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