『君と繋いだ手』
*12
なんだそんな事か…。
「…」
「……」
「……えぇ!?千尋が好きぃ!?」
「うわっ!今更ですか!?」
あまりにも遅い反応にツッコまれてしまったが、驚き過ぎてそれどころではない。
…そうだった!
意識した事がなかったけど千尋は女じゃん!
千尋が聞いたら殴り殺されそうなほど失礼な事を思いながら、お約束通りに聞いてみた。
「…どこが?」
「どこがって…優しいじゃないですか!」
…優しい?
思いもよらない答えに頭を捻っていると、
「しかも可愛いし!」
……可愛い?
更に思い付きもしなかった言葉に眉をひそめた。
少なくとも俺の知ってる千尋には、そのどちらの言葉も当てはまりそうにない。
「……」
「?」
…まぁ、いいだろう。
協力か…
してやってもいい。
彼氏でも出来ればあの凶暴な性格が丸くなるなるかもしれないし、小林はいいやつだし。
だけど、
「具体的に“協力”って何をすれば…。」
単刀直入に聞いてみた。
「えっと、そうですね…。」
話によると、どうやら小林は千尋の情報が欲しいらしい。
やっぱり学年が違うと分からない事だらけで、正直クラスと出席番号ぐらいしか分からないとか。
「うーん。」
俺の知っている事といっても、日常的なものでは一年の時のものしかない。
例えば…。
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