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『朱色の花が咲く時』
8-1



なかなかいい感じかもしれない。


予想以上に映画で盛り上がった。
また手を繋げたのにも確かな手応えを感じる。


やっぱり、下見しておいたのは成功だった!


デートが決まってからすぐに蒼生に相談し、プランを組み下見をしておいたのだ。


映画も色々リサーチをかけて一番面白そうなものにした。


始めの失敗は充分相殺された筈だ。
今日はこのままの流れで次の約束を取り付けたい。



上手く行けばもう一度告白し直したいところだか…。



車を走らせながら、チラッと助手席に目をやった。


夕焼けであかね色に染まった顔が、気が付いて笑い返してくれた。


手には帰りがけに撮ったプリクラを持っている。




「プリクラ、撮りませんか?」

朱音さんが誘ってくれて、並んで撮った。


プリクラなんてほとんど撮った事がない。
女の子と撮るなんて初めての事だ。


「何だか機能がいっぱいあるんですね?」


はしゃいでいたらまた笑われてしまった。


…何だか笑われてばかりだな。



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