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『揚羽蝶』
終/四

次の休み、花は“こうすけ”を連れて来た。

「坂本幸助と言います。」

第一印象は、“堅苦しい奴”だった。
こんなんで、一緒暮らして楽しい筈がない。

案の定、
「おとうさん!僕に花さんをください!」

定番の挨拶に欠伸をすると、今度は的外れな事を言い出した。

「おとうさん!僕にオシメを変えさせて下さい!」

ブホッと飲もうとしていたお茶を吹き出すと、激しく咳き込んだ。


何?
今なんて言った!?

「…駄目ですか…?」

落胆したその顔で、本気だったのかと笑ってしまった。


「いいよ。気に入った。」

花をよろしくと言われて、笑った幸助の顔が誰かに似ている気がした。



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