リアルダウト〜本編〜
その弐っ!!働けって、俺小学生なんですけどぉ!4
〜◇◆◇◆◇◆◇〜
「あぁ。流?私だ。」
準備も終わって、家を出たら、葵にぃがなんか手を挙げて(肩の辺り)、「灰猫劇場、流」と小さな声でつぶやいた。俺が何かな?と思っていると、いきなり目の前にテレビ(?)が現れた。そこに映っていたのは、耳までの髪(緑)の青年。20歳くらいだろうか。
「えっ?!な、なにこれ!」
「やっほー!葵ちん!そっちからテルってくるなんてめっずらすぃ〜ねぇ!!」
その人のアヒル口から発せられた言葉は、陽気な、こっちまで楽しくなって来るような声音。
「あぁ・・・。そうだな。だがうるさい。もう少し声のボリュームを落とせ。あと、葵「ちん」というのはやめろといつも言っているだろう。」
葵にぃは至極当然のように切り替えし、その後もいろいろと話しているようだった。
てか、あれは何?テレビ電話なの?いったいどこから出てきたの?
ってか相手は誰なの?
「ねぇ・・・ほっちゃん。あれなぁに?」
「ぁえ?あれか。あれはなぁ?」
俺がほっちゃんに聞こうと少し背伸びをしながら言うと、ほっちゃんは答えようと屈む。ほっちゃんが口を開くと・・・。
「およょ〜?聞いたことのない子の声がするぞぉ?誰だい?ほむらん!なにを隠しているんだぁい?」
そんな声がテレビから聞こえ、俺とほっちゃんはビクッ!となり振り向いた。
「あぁ。こいつは裕樹だ。」
「ゆうき?名前が二文字?・・・。空海の子じゃ、ないのかい?」
「いや・・・。それが」
そう言って葵にぃは、俺がここに来てしまったいきさつを話した。
そんなに長い話ではないのに、なぜかとてつもなく長い話のように思えるよ。だって宇宙を越えちゃったんだよ_?
「ほぉ〜!そんなことがあったのかーい?!そりゃぁ気の毒。てかほむりんおっちょこちょいだなぁ!」
「うるせぇっ!」
ほっちゃンはそんなことを言われ、流って人に向かって怒鳴る。
「それでその裕樹クンって言うのは?」
「あぁ。裕樹、こっちに来い」
「は、はい」
葵にぃに呼ばれて俺はテレビの前に立つ。
「は、はじめまして!裕樹です!」
「はい。はじめまして・・・なんだぁ!かっわいー男の子じゃないかい!」
ゎわ・・・。近くで見るとさらにハイテンションだ・・・。
こういうタイプの人初めてだな・・・。
「あの」
「それでぇ?この子を我が灰猫劇団に入団させたいってことだね?」
「あぁ。」
そっか。この人が劇団の団長駄だから、この人の許可を取らないと入れないのか!
っていうかさ、俺に話したのに、許可とっていなかったんだ。
俺は、流さんの答えを待ちながらそんなことを考える。
あぅ・・・。ちょっとドキドキ
「もっちろんOK!・・・と言いたいところではあるんだけど・・・」
え、そんなぁ!
「なんだ?」
「うっきーはさ、演技できるのかい?」
え?
「うっきー、ですか?」
「あ、ごめんよぉ! ゆ 『う き』だから、うっきー!可愛いでしょぅ?」
うっきー・・・なんかサルみたいだな。
って、そんなことより、演技かぁ。
俺、学校の学芸会で、白雪姫の役した事あったんだよねぇ・・・。
「俺、自分では良く分かんないけど、結構自信あります!」
そう宣言して、俺は流さんの方をみる。
すると流さんはニッコリと笑っていて、
「そうかぃ?じゃぁ安心だ。
歓迎するよ!それじゃぁ、『兎良』!灰猫劇団へようこそ!」
高々とそう宣言し、俺の方をみてさっきよりも濃く笑う流さん。
兎良(うら)?それって、
「お!やったな!兎良か!」
ほっちゃんが後ろから俺の肩を掴み顔を寄せてくる。
「ほっちゃん、兎良って?」
俺は、俺の肩に顎を乗せてぐりぐりしているほっちゃんに聞く。あ・・・地味に痛い。
「お前の、劇団名だよ!まぁ芸名ともいうかな。ちなみに俺は『炎臥』(えんが)だぜ!」
へぇ!そんなのがあるんだ!俺が、『兎良』かぁ。
「ちなみに「うら」ってどう書くの?」
「ウサギに、良いだよぉん!可愛いだろう?」
良いウサギ・・・。
「俺って、ウサギっぽい?」
俺がそう尋ねると、ほっちゃん、葵にぃ、流さんは三人一緒にうなずいた。
「あ、葵にぃは?劇団名なんていうの?」
「私か?私は『氷臥』(ひょうが)だ」
「かっこいー!炎臥と氷臥かぁー!」
俺は目を輝かせて二人を見る。二人はちょっと照れくさそうに微笑んで、俺の頭を交互になでる。
・・・・なんでそこでなでるの?
そのころ三人が、(ウサギよりも子犬っぽい)と思っていることなど、小指の先ほども思っていなかった俺は、気分はルンルン、楽しみでしょうがなかったのでした。
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