リアルダウト〜本編〜
その弐っ!!働けって、俺小学生なんですけどぉ!3
「んー!葵にぃのご飯はいっつもおいしー!」
皆さん、お察しの通り今は朝食中。もちろんのこと葵にぃが作っています。
「・・・っふ。そうか。」
葵にぃは俺の反応を聞くと、嬉しそうに微笑んで、俺の頭を撫でる。
「んぅー・・・ねーむーいーぞーこーんーちーきーしょー・・・。」
ほっちゃんは半分目を閉じた状態で、そんな事を永遠つぶやいている。はっきり言って怖い・・・。
俺はそう考えている間も、パクりと葵にぃの作った卵焼きを口に運ぶ。 「ごちそーさまぁ!」
「あぁ。じゃぁ、出かける準備をして来い、着替えないとな。」
「はーい!」
勢いよく返事をする。二人はフワリと微笑んで、食事を再開した。
ここ、丞星には四つの大陸があるって言ったでしょ?それぞれの大陸にはそれぞれの制服があるんだ。
ほっちゃんや葵にぃも仕事に行くって時はいつもその服を着ている。
青を基準とした平和そうな服だ。
俺もこの空海にいるんだからって言って、葵にぃはお下がりの制服をくれた。これを着ていると大抵は疑われないんだって。
ちなみにほっちゃんは、制服を自分なりにアレンジしていて、すッごくかっこいいんだよ?
「うーん。いつ着ても難しい・・・」
でも、かっこいいデザインなだけに、きるのが難しかったりする。俺、運動には自信あるけど不器用なんだよねぇ・・・。
「ここは・・・。」
なんとか10分位かけてそれを着て、台所に向かう。
あぁっもう!何でここはこんなに広いんだよ!
「ここ・・・どこ?」
俺はこのひっろーい家の、入ったこともないところに迷い込んでしまって、俺はあわてて引き返そうとするが、振り向いてもそこがどこかを示すものなど、何一つなく、俺は呆然と立ち尽くす。
「え―…」
俺は、(こんな日なのにっ!)と内心いらいらして、
「これもそれも全部ほっちゃんがお寝坊さんな所為だー!」
そんな八つ当たりをして叫ぶ。
あぁもう。本当にここはどこ?
俺、お世話になっている家で迷子になるとか・・・。恥ずかしいっ!
俺はとぼとぼと歩きながら考える。
(あれ・・・。でもさ、あっちから来たんだからあっちに戻ればよくない?)
俺はそう考え至り、意気揚々と振り向いた。
ゴ ツ ン ッ
「ぎゃんっ!!」
「あぇぅぃ!!」
そこにはほっちゃんがいて、勢いよく振り返った所為で俺の頭とほっちゃんの胸とがごっつんこした。
ちなみに上が俺、下のコメントがほっちゃんだよ。
「いきなり振り向くなよ・・・ビクッたぜ」
「ほ、ほっちゃぁ〜ん!」
俺は、びっくりしたのと安心したのと半々で、涙目になってほっちゃんに抱きつく!
ぅぁぁ・・・よかったぁ
「なんだ?お前さっきからふらふらふらふらしてるからどこ行くのかなーと思ってついてきたら、いきなり振り返ってくるんだもんなぁー」
えっ!それってさ、
「もしかして、みてたのに教えてくれなかったの?」
そんなひどい!俺は抗議の眼で訴える。
それなのに・・・。
「えぇ(笑)?お前もしかして迷ってたのかよ?」
「むっ、むぅっ!そんなことないもん!」
図星を言い当てられ、俺は更にほっちゃんを睨む。
「にははっ(^○^)。さぁ、早く行こうぜ?葵っちが待ちぼうけだ!」
「あぅ〜。うん!」
葵っちって言うのにひっかかりを覚えたけどそれは気にしないことにして、俺はほっちゃんの後を追って走っていった。
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