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リアルダウト〜本編〜
その弐っ!!働けって、俺小学生なんですけどぉ!2

 ええ。今俺、予告どおりほっちゃんの部屋の前にいるのですが・・・。

「あかない・・・。鍵かかってる・・。」

 きっと、葵にぃに起こされかけた時に鍵かけたんだろうな。

「むぅ・・・」

コンコンッ!

いくらノックしても、反応を示す気配すらない。

「ほっちゃぁ〜ん!!起きてよぉ!」

俺は喉の奥を使って叫ぶ。それでも全く反応を示さない。

ドンドンッッ!!

俺は思いっきり扉をたたく。でも何の気配もないからもう一度たたこうと手を振り上げた。
すると、

「ふゎあっ!」

いきなり扉が開いて、俺はほっちゃんの部屋に転がり落ちた。

「な、何?!」

俺はびっくりして上を見る。そこにいたのは、髪はボサボサ、目は虚ろ、酷い顔だ・・・。

「ほっちゃ・・・どうしっ!」

俺は最後まで言い切ることが出来なかった。
それは、ほっちゃんに腕を掴まれて、立ち上がらせたから。
ほっちゃんはまた カチャリと部屋の鍵を閉めた。

「な、なに?どしたのほっちゃん。」

無理やり俺を引っ張りながら歩くほっちゃん。どうしたんだろ・・・。いつものほっちゃんじゃない。

「ぉ前・・・。何?何でここに来たの?」

ベッドに座り込み立っている俺を前髪の隙間から睨み付けるように付けるように見上げるほっちゃん。
その眼がすっごく怖くて、あぁ、確かに葵にぃの兄弟だと、場違いながらに思った。

「俺・・・。ほっちゃんを起こしに・・・うゎっ。」

俺の手を引っ張り、ベッドに寝かせる。その上に跨るほっちゃん。

「俺今日・・・女に途中で逃げられて欲求不満なんだよな・・・。」

な、なにぃ?この体勢っ!これって・・・!。

「なに!もしかして、あの組体操の二段ベッドってヤツやったりするの!?」

俺は心底不思議で、ほっちゃんを見上げる
な、何で今そんなことすんの?!組み体操関係あるの?

そう思ってほっちゃんを見ると、がっくりとうなだれていた。
(え?何で?)

「お前・・・この状況でそれ・・・」

「え?何で?」

あ、そういえば俺さっきから何でとか何?ばかりだな。
ってそんな事どうでも良くて・・・。
 ほっちゃんはもう眼が覚めたようで、俺の上から退き、ベッドの端に座っている。

「で?何で裕樹、お前ここに来たの?」

「だからぁ・・・。今日から俺の初仕事だから。ほっちゃんを起こしに来たんだってばぁ!」

俺はほっちゃんをにらみつける。でも部屋が暗いから全く効果がない。

「いや・・・そうじゃなくてさ・・・ここに来ちゃだめって葵に言われなかったか?」

「言われたけどさぁ・・・。なんで?」

俺は、結局なんで危険なのか分かんなくて、首をかしげながらほっちゃんに聞く。


「ね!何で?」

「(わぁ・・・こんな純情な子初めてみたぁ・・・。)
お、俺な?すっげぇ低血圧だから、朝俺のトコに来ると襲われる危険があるからだ・・・。わりぃな!」

とんとんっ!

そこで、ノックの音が聞こえた。ん?葵にぃかなぁ?

もしかして、・・・怒ってたり・・・。

なんかほっちゃんが汗をかいている。熱いのかな?

俺はとりあえず無視する

「あ、あぅ!ほっちゃん。なんで俺が今日から仕事だってしてくせに、朝帰りなんてしたの?」

「そ、それは・・・」

「ねぇ何で?」

トントンッ
またノックが響く。くっ・・・。葵にぃっ!ごめんなさいっ!
 ほっちゃんに問い詰めようと近づく。ほっちゃんは一瞬俺の顔を見てから、バッ!と逃げた。

「ごめん裕樹!お前にはまだ早い!!」

「ちょぉ!ほっちゃんっ」

俺は、ほっちゃんを追いかけようとして、立ち上がる。 ほっちゃんがすばやく、扉を開け逃げていく。俺は追いかけるために扉に向かう。

「こらっ焔・・・!」

「ぅわわゎぁ!葵にぃ!」

 扉の向こうにいたのは、やっぱり葵にぃ。
 俺は思わず三歩後退。

「裕樹・・・。」

「はぃぃ!」

 葵にぃは恨めしそうな目で俺を見る。

「お前・・・。」

「ご、ごめんなさい!」

俺は懇願にも近い気持ちで謝る。

「・・・はぁ。」

そんな俺を見た葵にぃは、重〜い、ため息をつき、こういった。

「もういい。焔には何もされなかったか?」

「え?別に何もされてないよ?」

や、だって何もされてないじゃん?

「・・・ならいい。だが、もう二度と寝起きの焔の部屋に入るなよ。」

「・・・?はーい」

よく分からなかったけど、とりあえず返事をしておいた。

◆◇◆◇◆◇

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あきゅろす。
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