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羽根の無い私は

飛び立ちたかった
この狭い空間から



だけど私には羽根が無かった


みんなみんなみんなみんなみんなみんなみんな…

飛び立っていったと言うのに
私だけ取り残されたまま
ここに残ったまま





どうして私の心配するの?

(自分達だけ先に飛び立ったくせに)

どうしてこっちを見るの?

(どうせ何も思ってないくせに)

どうしてお話するの?

(楽しい思い出話なんか聞きたくない!)






ああこの鉄格子がただの壁なら私は空に恋い焦がれはしなかったのに

みんながいなくなれば私は友達なんて作らなかったのに





どうしてどうして

私には羽根が無いのだろう
私にはこの狭い空間しかないのだろう


空があんなに青いのに
雲があんなに高いのに

街が海が森が大地が


あんなも生きているのに
なんで私は飛び立てないのでしょうか






この鉄格子が無かったら?
羽根があったら?






いいえ
私はいつまでも飛び立てないのでしょう






あの子達のように元気だったなら
鳥のように身軽なら







そんな夢を見て私は眠る

(そうだ、生まれ変わったら天使になろう)







私は飛べない天使
羽根も無く、鉄格子が張られている

ああ、あの空を力一杯羽ばたけたら









そうして
1人の少女は夢を見た
(私は飛び立ちたかった
いいえ、ただ純粋に真っ直ぐに生きたかったのです)








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あきゅろす。
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