[通常モード] [URL送信]

復活
例えば、もしも、もしかしたら


それがもしも夢だとしても抱きしめたい












山本は盛大に焦っていた
目の前の状況に頭がついていかない


「ひ、雲雀…さん?」

「ん?」


部活が終わりいつも通り雲雀のいるはずであろう応接室に行くと、確かに雲雀がいた


しかし


「にゃんだい?」


頭には猫ミミ
そして尻尾が長々とついていた


「それ、どうしたんだ…?」

「にゃ?」


初めは付けミミかと思いきや、ミミは動くし尻尾も揺れている
そっとミミを触るとピクッと反応をしめした


「寝てたら生えてた」

「なんでなんだろうな」


ようやく状況も把握してきた
要するに、雲雀が俺の部活を終わるまで寝ていて、起きたらミミと尻尾が付いていたらしい


「にゃっ」


やっぱり猫はミミが敏感らしいので、俺がミミを触ると尻尾も揺れている


「凄いな、マジ本物だよ」

「にゃー」


顎や頭を触ると気持ちよいのか鳴き声を上げた
しかし、雲雀は人間
鳴き声を上げたあと顔を真っ赤にさせてしまった


「に、にゃにさせるんだ!」


な行が全て「にゃ」になってしまっている


可愛いなぁ…




「雲雀ちょっとこっちきて」


俺は雲雀をソファーに座らせる
そこに自分も横に座って雲雀を抱きしめた


「ん…」

「雲雀可愛いー」


すると雲雀は少しムッとして腕の中で暴れ始めた
必死で抜け出そうとしたのだが、俺はさらに力を入れる


「はにゃせっ」

「いーやーだ」


雲雀の片ミミにふっと息を吹きかける
すると、雲雀は反応して黙ってしまう


「うー」


雲雀はミミをピクピクと動かして腕の中に収まっていく
顔を気に入らないというような顔をしていたが、尻尾は揺れている


「雲雀はギュッとされるの好きなんだな」

「は?」

「だって尻尾が揺れているぜ?」


雲雀はさらに顔を赤くして腕の中で知らない知らないと言うように首を横に振った


「雲雀は今日はどうすんだ」

「今日?」

「これで帰るの?」


雲雀は自分のミミと尻尾を触りながら


「無理かにゃ…」


すくっと立ち上がり窓の近くに寄った

外はもう真っ暗だから見えないと言えば見えないが並盛は街灯たくさんがある
誰に会うかわからない町で夜な夜な歩くのは危険だろう


「よしっ!!雲雀今日はここに泊まろぜ」

「君は帰りにゃよ」

「だって雲雀1人じゃ心配だし」


俺はまた雲雀を抱きしめてソファーに座り直した


「これなら今日はずっと一緒にいられるじゃん」

「…今日だけだからね」















今日だけなら抱きしめても怒らないであげるよ



END



.

[*前へ][次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!