[携帯モード] [URL送信]

【クロス・オーバー・ポイント】
『黒森の獣は砂糖菓子の夢を見る』6 (完) R-18 X×ZorZ×X?とりあえずZが可哀想かも?

いくら制御薬を飲んでも、角に封印具を装着しても
定期的に来る発情期中だけは…その狂った衝動の全てを、押さえきる事は出来ない

だから…その時期だけは一名で居る方がいい、閉じこもって居る方が誰も傷付けない
以前とは違う、通常時は魔族変わらない、大切な相手と、穏やかに抱き合える様にはなったのだから
発情期の短い間すら耐えられない…なんて事は無い、それこそ強欲で、身勝手すぎる傲慢だとは自覚しているのだが

なのに…どうしてあの子は、自主的にココに来てしまうのか?危険だと解っているのに…

「一番辛くてシンドイ時に、一名で居るのは良くはねぇだろう?」

と言って、結界を飛び越えてしまうのだ、その特異体質で
僕だって最初は拒絶したよ、安全面に自信が持てなくて、発情期の自分なんて信じられなくて
でも…いくら強固に結界を張り巡らしても、あの子には効かないから、仕方が無いよね?
等と僕も諦めてしまった、危ない目に遭うのも、彼が選んだ事だ、自己責任だと?

いや違うね…そうやって、弱すぎる自分に妥協して、言い訳をしているだけだね…

そうやって、あの子の悪魔らしからぬ「優しさ」に甘えているだけだ
理解を超えた優しさを、失いたく無いと思いながらも
本音ではソレを拒絶も出来なくて…その温かさを知ってしまったから

剥き出しの凶暴性を暴走させながらも、寂しさと不安…孤独感に耐えられないから
薬品摂取だけでは抑えきれない【欲望】に負けて、自己都合に納得しているだけなんだ

だから…自分用の制御薬の微調整には余念が無い、一欠片のミスも許されない
それがあの子を護る事に繋がるから、必要以上に傷付けない事に繋がるなら

ふん…コレ学者らしい理論武装の偽善だね我ながら…自分のエゴに虫唾が走るよ

※※※※※※※※※※※※※※

刹那的な興奮が収まり、正気に戻りかける時は、何時もこんな感じだ…

頭の中もまた薄ぼんやりと霞が掛かっている、起きているのに、目蓋がキチンと開いていない…そんな感覚
大きく変形した角のカタチも、まだ元に戻っていないから、頭が変に重い………
抑制剤の副作用で、こめかみがズキズキして、一瞬貧血でも起こしたかの様に、ふらりと蹌踉めくのだが

そのまま視線を下げて、自分の下を見下ろせば、ああ…コレも何時も通りの光景だ
衣服を切り裂かれ、薄い痣と擦り傷だらけのゾッドが、力無く身体を横たえている
乱れたシーツの上で、背中を丸めてガクガクと震えながら

手首を一纏めにして緩く巻かれた鎖は、そのままベッドヘッドの支柱に繋がっては居るが、何の封印も施していない…
見た目だけは強靱なソレも、その気になれば簡単に、引き千切る事が出来る筈なのに
何故か彼は、大人しく繋がれたままで居る… 長時間、手酷い仕打ちを受けて居るのにも関わらずに
勿論、僕にも抑制剤が効いている分、命に関わるまでの傷は負わせないにしてもだ

「今回は…もう気はすんのだか?…ゼノン?」

散々啼かせたセイだろう、掠れてしまった声が、その唇から漏れると
怯え不安気に揺れる視線が、ゆらゆらと僕を見上げてくる
彼にしてみれば、突然に行為を中断した、僕の意図が解らないと言った所かな?

大きな図体でも、叱られた子供の様なその仕草が、何だか妙に可愛らしくて
僕は言葉を発する事もなく、ニッコリと笑い返す

じゃらり…

無言のまま、僕の手元に投げ出してあった鎖を、グンッと引っ張り上げれば
ストッパーのついた滑車が勢い良く回り、可哀想な彼は短い悲鳴を上げる
不意打ちで引っ張り上げた手首を、支柱に当ててしまう様なヘマはしないけど…

そのまま彼をマットの上に押しつけ、押し倒すと、無防備な胸元に唇を這わせる
敏感になった素肌は、僕の与える快楽には反抗出来ないから、すぐに熱を持つ

震える胸の突起を舌で嬲り、その欲情の程を確かめながら、吸い上げて甘噛みを繰り返す
逃げ腰の彼の胸板を、肘と体重で押さえ込み、閉じかけた脚に僕の膝を割り込ませると、強引にソレも開いてしまう
スルリとその奥に指を差し込めば…ついさっきまで僕を飲み込んでいたソコは、
まだひくつき柔らかくて、吐き出されたモノに塗れてグチャグチャになっていた

膨れる尻尾の感触を無視して、その奥のいい部分を指の腹で撫で上げて刺激するだけで
更に急上昇する体温の熱さに、ゼノンはほくそえんだ

「……ゼノンっっ…もういい加減にっっ…ひぅ…あああっ」

身じろぎ、何とか僕の下から逃げだそうとする身体を、力尽くで強引に押さえつけながら、中を優しく掻き回してやれば
乱暴なヤり方だった今迄よりかは、快楽の方が強くて、気持ちがいいのかもしれないね
早々に復活したゾッドのソレが、腕に触れるのを感じる…だから、僕は半泣きの彼の顔を覗き込みながら言ってやる

「まだ角のカタチが戻ってないでしょ…もう少しつきあってよ、この昂ぶりが収まるまで
そんなの解ってて来たんでしょ?自分で選んだクセに、途中で放り出すのは酷くない?」

意識が半分飛んでいたから、自覚はあまり無いけど…
無抵抗の彼を、既に散々啼かせて、犯しつくした筈なのだ
何時になくボロボロになって、怯えた彼の様子を見れば確実に

でも…まだ逃がしてあげない、思考は戻っても、僕の昂ぶりはまだ収まってないから
我ながら理不尽極まり無いと思うが、発情期の僕の相手が出来るのは、今のところ彼だけだからね
ここまで来たら止まらない、止められ無い

強要しているワケじゃないのに、半暴走状態の僕の相手を必ずしてくれる
ちょっとやそっとじゃ壊れない強靱な肉体で、僕の一番凶悪で、醜い部分を受け入れてくれる
エースのアレ程では無いにしても、利己的に犯されて、二三日腰も立たなくなる事くらい、経験済みで解っているのにね

「正気に戻ってるなら…もういい加減にしてくれよっっっ…」

当たり前の痛みを我慢仕切れずに、泣き喚く彼の様子を、見ているから解ってるよ…決して苦痛を好むタイプでは無い
それどころか…こうやって組み敷かれ、抱かれる相手は…多分僕だけだろう
外見は厳めしい雰囲気の彼が、そういう対象には、見られないと言う事もあるけど

だからこそ、繊細で優しいこの子の内側を知っているのは、僕が最初で最後になるんだろうね…

そう思うと…薄暗い独占欲が沸々と沸き上がってしまうのだ、この子を誰とも分かち合うつもりは無い…
彼が他の相手を抱く事は許容出来ても、抱かれる事は許さない…そういう相手が現れればの話だけどね

「うぁ…あああっ……待ってっっちょっと待ってってばっ、休ませてくれよっっ」
「痛いばっかりで終わったら嫌でしょ?大丈夫…後は優しくしてあげるから…」

涙ぐむその目尻に舌を這わせながら、微かに抵抗する股をグイと開くと
まだ濡れたソコに僕を宛がうと、一気に中を刺し貫く
ヒクリと跳ね上がる身体を押さえ込み、中のイイ部分を重点的に刺激してあげる
今迄頑張ってくれたご褒美だからね、これから先は、気持ちがイイ事だけにしてあげる、たっぷりと弄ってあげるよ

身体の方は…普段からじっくりと、時間を掛けて仕込んでいるからね
暴走する僕が、ある程度の無茶をしても、受け入れられる様にはなっているけど
ソレは僕が相手であればと言うだけ…限定的な事であって
決して男を受け入れる事に慣れているワケではない、精神的な部分では特に

グズグズに快楽に溺れながらも、ソコだけは、まだ?折り合いがついて無いだろうね?きっと?
ふと我に返る瞬間が有るらしく、泳ぐ目線のに、僕が気がつかないとでも思っているの?

そんなワキの甘さが未熟な部分がまた、どうしようもなく愛おしいから…ますます追い込んでしまいたくなるんだよ
常識的な価値観なんて考えられない様に…僕無しで居られない、身体に作り替えてあげるよ…
未来永劫に逃がしてあげるつもりは無いよ

そう思えばこそ、彼をヤり殺してしまわないのかもしれないね…危険な発情期でもね

※※※※※※※※※※※※※※

少々気まずい気持ちで、翌日、ゼノンの部屋を尋ねれば
まさか昨晩、俺が覗いていた何て、考えてもいないのだろう
何時もと変わらない笑顔で、俺を出迎えてくれるのだが………

心なしか…顔色が青い、妙に疲れた表情で、少しやつれて見えるのは、気のせいじゃない
そりゃそうだろう…いくら喜んでいたって、本来の摂理とは真逆の事をしているのだから
不意に昨日の光景を思いだし…喘いでいた声を反芻すると、何だか堪らなくなった

「どうかしたの???」

どう考えても、挙動不審な俺の様子を、ゼノンは、きょとんとした顔で見上げてる
その面にさえも、動揺してしまって、変な汗と鼓動が収まらない…
畜生っっ…そんな無防備な顔で見ないでくれよ、我慢しきれなくなるじゃないかっっ

叶う筈の無いこの想いは、黙っていようと決めたのに、そう割り切った筈なのに
気がついたら…殆ど無抵抗のゼノンを押し倒していた………殆ど条件反射で
思春期のガキじゃあるまいし…と、我ながら情けなくはあるが、どうにも抑えきれなくて

でも…組み敷いては見たものの、その後でどうしたら良いか解らなくなった

鳶色の目は、最初だけは、少し驚いてはいたけれど、その後は至って冷静で動じもしない
特に怯えもせずにに、ジッと俺を見上げて居る、意味が解らないワケないのに
途端にゼノンとの魔力の差を思い出し、同時に罪悪感にもかられてしまった俺は、
慌てて彼の側から逃げだそうとしたのだが、髪をグイッと掴まれソレも許してはもらえなかった…

それどころか、昨日の覗き見の経緯すら、誘導尋問で吐露してしまったじゃないか

まったく最悪すぎる…ああ…コレで居心地の良かった、この関係も終わってしまうのか?
自分のしでかした行為を後悔して、ガックリと肩を落とす俺は視線も合わせる事が出来ず
ワザと余所を見ていたのだが、その耳に信じられない言葉が飛び込んでくる

「………イイよ、抱きたいのなら…ちゃんと気持ち良くしてくれるなら」

他にも何か言われた気がしたけれど、かろうじてソレだけしか拾えなかった
ホントにホントに抱かせてくれるのか?現実とは思えなくて、しつこくもう一度確認した俺は
その触り心地のいい身体を、直ぐさま抱き締めると、そのまま貪る様に唇を奪う

野郎と寝た事なんて無いけど…ヤり方は女とそうは変わらないはず???だよな?多分?

「そんなに急がなくても、大丈夫だから…僕は逃げないから………」

剥き出しの胸元を舐め上げる俺の頭に、肩に、ふわりと、その柔らかな手が這う
ピンク色に染まってゆくその肌が、色っぽくて…俺は必死にイイ場所を探してやる

昨日の情事の痕跡は…自分で消してしまったのだろうか?

あれだけ派手な声を上げていたワリには、キスマーク一つすら残っては居ない
きっと俺の付けた痕も消されてしまう…と解っていても、
その真新しい肌に、自分の痕をつける行為に言い知れぬ興奮を覚える

しかし良く見れば…所々に残っている裂傷の痕…は癒えきれずに残っている
先に深層部にまで刻まれた、エースの爪痕と噛み傷は、白く浮き出るカタチでソコに有る

チクチクと胸に突き刺さる何かを、感じながらも、ソレが集中している場所を念入りに舐め上げてやれば…
それなりに?気持ちはいいのだろうか?小さく上がる声と湿った吐息が、心地がいい

「ねぇ…君は………男と…寝た事はあるの?」

ぽつりと漏れたその問いかけに、俺は硬直するのだが、変に見栄を張るワケにもいかない
経験は女だけで、野郎とのソレは無い、知識は無いワケじゃないけど…
と正直に答える俺に…ゼノンは呆れた様な表情を浮かべながらも、溜息をつくのだが

「………まぁいいや…教えてあげるから、その通りにしたらいいよ…」

と素っ気なく答えてくる、ゼノンの声は、なんだか気怠そうで
うん…何か間違って居る様な気もするが、今はソレを深く考える余裕もなくて
パタパタと尻尾を振る俺を、ゼノンは困った様に見上げるばかりだ

何だか…このシチュエーションって、花街に初めて行った時に似ている…のだろうか?

「オクテの荒療治だ!」と、悪友に襟首を掴まれ、無理矢理に引っ張りこまれた迄は良かったが
あの時は…相手をしてくれた、女の顔を見ている余裕なんて、無かったけれど…
彼女も、きっとこんな感じの表情を浮かべていたのかな?
等と考えると、今更ながら気恥ずかしくなってしまうのだ

※※※※※※※※※※※※※※

ゼノンが俺のナニをペチャペチャと舐め上げる、湿った音だけが妙に耳に響く
それを見下ろしながら、俺はおうしたらいいのか解らなくて、ただドギマギしていた

何か喋った方がいいのか…そう思いながらも、思考が上手く纏まらない
有り得ないくらい気持ちが良くて、変な声を出さないで居るのがやっとだ
女にしてもらうよりも、ずっとツボを抑えているのは…やはり同性だからか?

髪に隠れてしまって表情は見えないけど…ソレを凝視するのも…何だか気恥ずかしい
相手が女なら…その頬や頭を撫でてやる所だが、ゼノンがソレを喜ぶかどうかも解らない
だから、ただ相手の好きにさせる事しか出来ないのだが…
あのゼノンが、俺をしゃぶっていると思うだけでも、もう我慢が出来なくて
直ぐにでも、その温かい口に吐き出してしまいそうになる…
その興奮を抑えるだけでも大変で、とても気の利いた睦言など…出てくるワケもないのだ

そんな俺の動揺も伝わっているのだろうか?
最初こそは丹念によい場所を刺激していた舌が、俺がイきそうになると、その動きが止まる
根元を添えられた指で圧迫されてしまう、緩慢な焦らしの連続は、気が狂いそうな程にもどかしいのだが

出してしまえば…この快楽も終わりだと思えば、我慢もするだろう?男なら?

苦渋と快楽が入り混じった、俺の吐息にも余裕の無さにも、当然気がついているのだろう
スルリと裏側をひと舐めすると、ゼノンは顔を上げてコチラを見上げる

「同性にサれたのは初めて?ふぅん…獣王族なのに、随分と身持ちの堅い悪魔も居たもんだね………」

アンタに言われなくても、そんな事は解ってるよ、自覚している

普通だったら、俺くらいの年頃だったら、例え興味本位でもどっちも経験済みで
特に魔力・体力の強い個体が、複数のパートナーを囲い込む者が多い、獣王族なら
ハーレムの一つや二つくらい、所有していてもおかしくは無い
土属性の悪魔なら、その辺りの事情にも詳しい分、余計に疑問に思うだろうな

「別に…たまたま、そういう機会と相手に、恵まれなかっただけだ………」

【核心的な理由】は…まだ言えないけれど、ソレも事実なんだ
そういう相手が、馴染みの女が居ないワケじゃないけど、関係は刹那的で希薄な方だろう
そもそも?奔放すぎる同族のノリと勢いに、ついてゆけない…その理由も大きい

加えて【特定の誰か】を大切に想うあまりに、自分が弱くなってしまいそうで怖いのだ

誰かを護る為に強くなる!そういう事も、確かに有るのだが
その関係を護りたい為に、相手と生き残りたいと思うあまりに、逆に弱くなってしまう部分も大きいのだ…
先鋒部隊に所属しているからだろうか?特にその心理変化は解りやすい…
ソレが悪いとは、言い切れはしないし、ソイツの気持ちも解らなくは無いのだが

それに…あのデーモンとエースでさえも、それが重大なウィークポイントになっている
彼等より魔力の劣る自分が、これ以上弱くなるワケにはいかないのだ、今迄通りに友の側に居る為にも…

そんな想いが強すぎるせいか、どうにも【特定の相手】に入れ込みすぎる事を躊躇していた…

本当はそれだけなのかもしれない

「………野暮な事は聴かないよ、でも……まだイッちゃ駄目だからね……」

そう言いながらも、ベッドサイドの引き出しから、何かを取り出しているのが見えた
再び俺のソレをチロチロと舐めながら、着乱れた自分の服の中を弄る、ゼノンの姿に目眩がする
官能的で色っぽい反面、アレを目撃するまでは、彼のこんな姿を、露程も考えていなかったから
この期に及んでもまだ、見てはいけないモノを、覗き見している様な複雑な気分になってしまう

哀しいのか?嬉しいのか?よく解らない感情が、押し寄せてきてしまうのだ

「もう…充分かな、そのまま動かないでね………」

少しだけ冷たい何かを、たっぷりとナニに塗りつけられるのを感じると直ぐに
霰もない姿のゼノンが、俺の上に跨がってくる、慌ててその半身を支える俺を見下ろして、彼はニタリと笑った

※※※※※※※※※※※※※

もうその後は何が何だか…何某かに塗れてヌラヌラになったソコを撫でられ
ゼノンの後ろに宛がわれたワケだが、その柔らかさと温かさに、驚いてしまう

女のソレとは違うけど、天井の無いソコも気持ちが良すぎて
やわやわと俺を包み込んで締め付ける加減が、絶妙すぎて…
腹の上に乗り上げたゼノンに、サービスしてもらう迄も無い
短く悲鳴を上げると、短時間で絶頂を迎えてしまった俺に、彼は再び溜息をつく

「もう…早すぎるでしょ…」

確かにその通りなのだが…その言葉にカチンときてしまった、何かのリミッターが外れるのを感じた
そのまま、俺の上から降りようとするゼノンの腰を強く掴むと、そのままマットの上にボフリと押し倒す

急に体勢が変わって身じろぐ彼を押さえつけ、強引にキスを落とすと
脚を抱え上げ、内側を強く突き上げる、ゼノンの中で早々に復活した俺のナニは、最初のソレより凶悪なのか
短く息を飲んだ彼が、苦し気に呻くのだが、もうソレを気遣う余裕もなくなって
両方の太腿を引き掴み更に引き寄せると、その奥を無茶苦茶につきあげる
連結部分から上がる卑猥な音が、いやらしくて、止められ無い俺の手荒な挿入に、ゼノンは小さく悲鳴をあげた

「待って…もっとゆっくり………」

しゃぶりつく様なキスから逃れた、その唇から漏れた言葉すらも、
封じる様に、深く深く口づける、制止や拒絶の言葉は聞きたくなくて
そのまま、強引に中を掻き回してやる上も下も…
喘ぎ声とも悲鳴ともつかない、その吐息を飲み込みながら、何でこんなに興奮しているのか解らない
初めて女を抱いた時よりも、ずっとずっと余裕が持てないのは何故なんだろう
程無く…ゼノンの内側に二度目のソレを吐き出してしまえば、それを感じるのか?組み敷いた身体がビクビクと痙攣する

征服欲なんて生優しいモノじゃない…ただどうにも止められ無い、刹那的な衝動しかソコには無い
やっぱり…俺も、アノばあさまと同じなのだろうか?そして…ソレも、相手に伝えるべきなのだろうか?

ソレを相手に告白して、許容してもらおうと考えるのは…ズルイ打算にはならないのだろうか?

※※※※※※※※※※※※※※

「すまん…こんなつもりじゃ、乱暴にするつもりなんて、全然無かったのに」
「別に良いよ…途中から僕も、君のペースに乗ったんだし………」

ある程度の落ち着きを取り戻して、平謝りする俺にゼノンは柔らかく苦笑する、やはり困ったような顔で

病み上がりに、手加減もせずに無茶をさせたから、相当に堪えたのだろうか
ベッドヘッドに背中を預けているゼノンは、少しだるそうに、脚を投げ出したままだから
身支度すら調わない彼の肩に、毛布を掛けてやりながら、下の始末を手伝おうとするのだが…
恥じらいからか?やんわり拒絶されてしまう

そうだよな…女だって自分でする奴の方が多い、余計なお世話も良い所だろう?
ガキじゃあるまいし、俺は何をやってるんだか

「何か…飲むものでも取ってくるから」

暗に部屋に張り巡らした結界を解いてくれ、と告げて部屋を出ようとするのだが
バチバチと火花を散らす壁が、明確な意思を持って、俺の行く手を阻む
逃げるつもりは無い、ただちょっとだけ席を外して、一呼吸したかっただけなのだが…
当のゼノンは、そういう風には取らなかったのか?ニヤリと少し怖い笑みを浮かべている

「別に…外まで行かなくても、備え付けの保冷庫の中に有るでしょ?」

勿論ソレを知らなかったワケじゃないのだが…このまま変に誤解されても叶わない
多少苦しいながらも、俺はさもソレを忘れていたかの様に振る舞って
保冷庫の中を漁るのだけど、背中に突き刺さる視線が何時もと違う

やっぱり…怒っているのだろうな、多分?

そりゃそうだよな…いきなり予告もなく押し倒された上に、慣れない手管で無理に抱かれたのだから…
快楽より痛みの方が強かったのだろうな、途中かなり辛そうな顔もしていたし
いくら「抱いてもいい」と言われたから、と言って勇み足すぎた、段階を踏むべきだった
と今更ながら思うのだが…ヤッてしまったからには、もう仕方がない

適当な飲み物を見繕って、ゼノンに渡すと、自分もすぐ側に腰を下ろし
別のモノに口をつけようとするのだが、ぼそり相手は囁いた

「ねぇ…さっきは僕がシてあげたでしょ?今度は君がやってよ…教えた通りに…」

えっと…何をすればいいですか?一瞬意味が解らなくて、ドギマギとする俺を
妙に悪そうな目で、愉快そうに見ているゼノンは、チロリと自分のナニに目配せする
取りあえずは、上着の前を合わせているから、隠れては居るけれど…ソレは早々と復活している様だ…

一応?俺だって、ただ乱暴にゼノンを犯したワケじゃない
見よう見真似ではあったが…自分でするのと同じ様に、ちゃんと前も刺激して抜いてやった、何度かは
のワリには?ちょっと早すぎないか?と思いつつも…拒否する理由も見当たらず
俺はそのまま背をかがめると、そっと合わせを開いて、半勃ちのソレに舌を這わせた

ベッドの上は既にグチャグチャな上に、シャワーを浴びてきたワケじゃない
俺とゼノンのソレが、入り交じった強い情事の痕の臭いすら、嫌悪感は感じなかった
野郎のソレをしゃぶった事すら、初めての経験だったのに
生温かいソレが舌の上で、強く固くなってゆく様は、不思議な感覚だな…等と
冷静に考えている自分の思考すら、現実的なモノと思えなくなってくる

ズキリ…

また「あの場所」が疼き痛みを感じる、さっきゼノンを強く抱いて、犯していた時も
その場所が、痛くて堪らなかったのだが、ソレよりも強い下半身の快楽の方が強くて
そんな事には、構っている余裕すら無かったけど…今は違う………
ジワジワと強く脈打つソコに、神経を集中させながらも、俺はソレを強引に押しのける

痛みなんて今はどうでもいい…今はゼノンを喜ばせてやりたいから

音を立てるとか、焦らすとか、そんな技量はないから、ただ自分さがれた事を反芻する
自分がシてもらったら、気持ちの良いであろう場所を、探し回るだけだ…今はソレくらいしか出来ないから

※※※※※※※※※※※※※※

おや…初めてなんでしょう?君が男のソレをしゃぶるのは?
SEXの後だから、ちょっとは躊躇するとか?嫌がるか?と思っていたのに、随分あっさりと口に入れてくれたね
不慣れでも上手な方だよ…ちゃんと僕にサービスする気があるもの、うん悪くないよ

ちゃんと仕込んであげれば…もっと上手になるだろうね、舌も器用そうだから

僕の脚と腰に手を添えて、やんわりと抱え込む様な姿勢で、懸命に奉仕をしてくれる、その姿も悪く無くて
僕はその頭に手を添えて、少しゴワゴワとする毛髪を撫で上げる
本当に彼には失礼な話かもしれないけれど、大きな犬みたいな印象はあるんだよね
犬科の獣の様な大きな尻尾のせいもあるけれど…
そんな事を漠然と考えながら、その側頭部もサワサワと指で弄んでいるウチに

僕は気がついてしまった…頭髪の中の地肌に、妙に熱をもっている部分がある事に

せっかく彼の愛撫を邪魔しない様に、ソコの髪を掻き上げてみれば…
少し大きめのコイン程の大きさだろうか?部分的に頭髪の無い部分がある…
そしてその下の頭骨は、少しだけ?他より盛り上がっているのか?
なだらかな瘤の様な状態になっている、その部分の皮膚が、部分的に熱い…熱を持って脈打ってる
そのまま反対側の側頭部も触ってみれば、調度同じ場所に同じ様な発熱部分が指に触れる…

まさか、まさかコレって………

「………聴いていいかな?ゾッド?君は、生粋の獣王族じゃないの???」

ぺちゃぺちゃと行為を続行する、彼の頭を、少し強引に引き剥がすと
とろんとした表情を浮かべる、彼の顔を覗き込み、僕は彼に尋ねた
途端に困った様な表情を浮かべたゾッドは、真っ直ぐに見下ろす僕の視線が息苦しいのか
ぷいと横を向いてしまうと、かなり言いにくそうに、ぼそぼそと説明しはじめる

「ああ…少しだけど、違う血が混じってるよ、ウチは…他族との混血の多い家系だ
俺のばあさまには…アンタ等とは違う、下向きのカタチの角が生えていた………」

【下向きの角】か…成るほどそういう事か………
その独特な凶暴性から、婚姻相手どころか情事の相手としても、倦厭されてきた鬼族だが
一つだけ例外が有る、それが【下向きの角を持つ鬼の女性】だ
上向きの角が一般的な鬼族は、本数に関係無く、その角度が鋭利な程に、粗暴な性質が上がる?とも言われているが
逆に下向きの角を持つ鬼は、特に女性は、他の鬼族に比べると…その凶暴性が薄く、発作衝動も大人しいと言われている

鬼族の僕から見れば、そんなモノは、古いヨタ話で、殆ど迷信みたなモノなのだが

故に大昔は、自分の一族、及び我が子に、鬼族並の肉体強度を望む他族の有力者は
好んで下向きの角の女性を、側室に迎える事も有ったと言う話は聞いた事がある

鬼族と同じく、戦闘部族として名高く、獣王族の有力者であるゾッドの血縁が
その下向きの角の話を信じて、同等の行為に出たのは、極自然な事だったのかもしれない
そして…その形質を色濃く受け継いでいる彼が、鬼族並の丈夫な肉体を持っている事も

「ふふふ………成るほど、そういう事……そういう事だったんだね」

不自然に上気した声でそう呟きながら、突然、押し殺した様な笑い声を上げ、ソレが止められ無い僕の様子に、驚いたのだろう
怪訝そうなゾッドが、コチラを振り返るのだが、その目の前で僕はパチンと指を鳴らす
ベッドの下からビキビキと震える黒い蔓が、一斉に這い出してくる

「なっ………」

勿論彼に、逃げる隙など与えない、ゾッドの条件反射よりも僕の術の方が早い
勿論乱暴になんてしないよ、コレは攻撃用の棘の無い改良型、エースの時とは違うから…
両腕と両脚に幾重にも巻き付く蔓は、ゾッドを傷つけずに、やんわりと彼を捕まえてしまうと、仰向きにベッドに磔にしてしまった

「ちょっ…ゼノンっっ、コレは何のつもりっっ……」

突然拘束されたら、当たり前の反応だよね?
じたばたと藻掻く彼の胸元を撫であげながら、ゆっくりとその衣装を、爪で引き裂いてゆく
剥き出しの肌に唇と舌を這わせながら、僕は出来るだけ粘着質な口調で、ねっとりと囁いた

「君の中に僕と同じ血が流れてるなら、さぞかし、その身体も丈夫なんだろうね………
それに…きっと僕等の衝動も理解出来るはずだよね…角の痕跡だけのソコが、そこまで熱くなるなら
なら…付き合ってくれるよねぇ…僕のこの角のカタチが元に戻るまで………」

そう言ってバサリと髪を振り乱した、ゼノンの片角は
何時の間にか?少しだけカタチが変わっている、角度が悪くてよく見えなかったけど
そして…欲情でギラギラと光る目は、その奥に何処か冷たさも含んでいて
覚えず背筋が寒くなるのだが、ギリギリと四肢を押さえ込む蔓は少しも緩まない

「待って…ちょっと待ってくれよ、ゼノン………」

駄目だ…逃げられない、無駄と解っていても、身体をよじりカタカタと震える俺を余所に
俺のナニを探り出したゼノンは、チロリとソレに舌を這わせながらも、ニヤニヤと動けない俺を見上げて言った

「良い機会だから、抱かれる側のレッスンもしてあげようね、男に抱かれるのも初めてでしょ?
また、僕を抱きたいのなら…ソレなりのテクニックは、身につけて貰わないとね
何…安心していいよ、さっきちゃんと薬は飲んでるから、ヤり殺しはしないよ………
手取り足取りゆっくり教えてあげるから、気長に覚えたらいいさ………」

そう言ってニタリと笑う顔は、心底凶悪すぎて…おっかなくて、適当な逃げ口上、も言い訳も最早出てこない
悲鳴を上げそうになるその口を、すかさず濃厚なキスでふさがれた
ついさっき調子に乗った俺が、苦しそうに喘ぐゼノンに、そうした様に

そのまま、問答無用で前を扱かれ、その巧みな手管で、あっと言う間に絶頂を迎えてしまった事を、恥じ入る隙間も与えずに
吐き出してしまったソレを、後ろに塗り込められてしまう…
中に入り込んでくる指の感覚と、強い刺激、後は…もうどうにも成らなかった

初めてソコを触られ、嬲られる恐怖心と羞恥心に、絹を裂く様なゾッドの悲鳴が病室に響くのだが

ゼノンの強い結界に護られた部屋から、ソレが外部に漏れる事はなかったが
同時に他の誰かに助けてもらう事も出来ない、興奮状態のゼノンが行為を中断するワケもない

こうして…やや強引なカタチで、師弟関係は肉体関係にまで進んでしまった
それが両者にとって良かったのか、悪かったのかは…当悪魔にしか解らない事だが

※※※※※※※※※※※※※※

「私と居る時間まで、その見えすぎる目で、何処かを覗いているのかしら?
それとも他の誰かさんを思い出しているの?いくら馴染みの相手でも、随分失礼なんじゃないかしら?
………せめて、逢瀬の間くらい私の事だけを見てよ」

クスクスと背中を丸めて、押し殺した笑いを漏らしている男に
女鬼は、不機嫌そうに頬を膨らませると、相手の顔を覗き込む

「ああ…済まなかったねぇ、カーリー、君の綺麗な角を見ていたら、ゼノンの事を思いだして
君が勧めてくれていた【友達】とやらにも逢ってきたんだが、なかなか悪くないよ…発情期のゼノンの世話役としてはね」

そう言って半裸の彼女を抱きた賢者は、直ぐにその瑞々しい乳房にしゃぶりつく
もう半日以上睦み合っては居るのだが、発情期を迎えている彼女の欲は底なしで、角のカタチもまだまだ戻らない…
ココ最近は私も忙しかったからね、若いゼノンが、彼女の相手を務めていたが
彼が負傷中くらい、私が変わってもいいだろう?カーリーは元々、私の愛魔なのだから

「………ああ、ゾッドちゃんの事?調度良い感じでしょ?完全に鬼同士よりずっと………」

私の発情期の相手はするくせに、あの子は自分の発情期の時は、私を避けるのよね

万が一にでも、手加減を誤って怪我をさせたら大変だから、絶対に出来ない…何て言って
確かに私とゼノンでは、魔力レベルが違いすぎるから、その危険性が無いワケじゃないけど
私も信頼性の無い抑制剤を、作った覚えは無いのにね、どうしてソコまで遠慮するのかしらねぇ…あの子は………

「まぁ…ゼノンの気質を考えたら、当然の感情じゃないかね?
君が良くても、自分の手で、君を傷付けるのが怖いのさ、髪の毛一筋ですらもね…
そういう弟子の気持ちも汲んであげたまえ、コドモなんてそんなモノさ……」

まぁ…私も激怒はするがね………例え傷付けた相手が可愛いゼノンでもね

最後の言葉はあえて聴かせないままに、ヨカナーンは再び彼女を身体の下に組み敷く
男を待ちかねた身体はくねり、いきり勃つソレを嬉しげに咀嚼する浅ましさを
目を細めて眺めるその顔は、やはり天界の生き物とは程遠い

ぴったりの適任者が、適度な距離で見付かった上に、向こうから転がってきてくれて良かったよ…
私も待たせている相手が多いからねぇ、何時も彼の側に居るワケにはいかないからね

共通の愛弟子を愛するが故の打算にしても、半ば填められた状態の彼が、この会話を聞けば、噴飯の末に怒るかもしれないが
今はソレ所じゃないだろうね、角のカタチが変わる程に、興奮してるゼノンの相手は大変だよ、まぁがんばりたまえ

そんな、年嵩の二名の師匠の、少しばかりズレた思惑はあれど…
体良く僕に宛がわれてしまった事に、ゾッドが気がつくのは、それからずっと先のお話
その事実を知っても…僕から離れていかないんだから、まんざらでも無いんじゃない?ゾッドの方も?

まぁ、逃げ出そうとしても、逃がすつもりは欠片も無いけれどね



END

とりあえず…親分が不憫すぎるけど、初恋?みたいなモノが叶ったなら?OK?
等と何時も通りに、書き逃げてみます!!!ははははは(~o~)(~o~)(~o~)


[*前へ]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!