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【Gt3兄弟@】
『シガテラのドラジェ』 中編 R-18 L×J SM表現有り注意 Jがかなり可哀想です…

悪魔らしくない悪魔…確かにそう言われる事も多いけど
仕方無いじゃん…当たり前の悪魔が好きな事が苦手なんだから
が楽しんでいいと言われたって…こんな状況で楽しめないって言うの
苦痛だけの啼き声を聞いて、興奮する趣味は俺には無いんだよ

「ああぁ…う…うぁ…」

拘束されたままの格好で、俺に抱かれているジェイルは
それらしい声は上げているけど、多分快楽より苦痛の方が優っている
何時もとは全然違う、半泣きの辛そうな表情を見れば…一目瞭然だよ

「好きにしていい…」その言葉通り、もう長時間、犯してはいるのだが
ちゃんと良くしてあげる事が出来ないから…ソレが辛くて仕方がない

最初に簡単に外れた、後ろのディルトと違い
他の拘束が、何をしても外れない…いくら中に注ぎ込んでも
呼吸すら阻害されそうな、上半身の拘束もそうだけど

未だに前を戒めているソレが、何よりも彼を苦しめている

専用の容器なのか?ぴったりとナニを包み込んでしまっているソレは
過剰に中身を締め上げ、射精を完全に阻んでいるから

中で暴れるソレは、ビクビクと反応し、拘束ごと震えているので
行き場の無い劣情に腫れ上がっている事は、外から見ても解る…

同性の俺も見ていて辛いから、何度も外してやろうと、手を伸ばすのだが
やはり強力な封印が施されていて、解除してやる事ができない
こんな状態で、良くなんてしてやれないよ 寸止めどころか完全なる生殺しだ

俺だってジェイルの弱点や、好きな場所は熟知してるけど
ちゃんとイけない状態で、そんな場所を責め立てられたら
よがり狂うどころか、本当に狂ってしまいそうになる程、辛いのは明白だから出来ない

だからと言って…ワザと性感帯を外している今の行為が、救いになるとも思ってない
ジェイルの内側は、必死に俺のソレを、イイ場所に導こうと絡みついてくる

抱くにしても、抱かれるにしても、
慣れ過ぎた相手だからこその?仕方の無い反応なのだろうか?
せめてちゃんと良くしてやれたら、まだ状況を楽しめるかもしれないけど

こんなのは…唯の拷問と変わらないじゃん、やったこと無いけど

やっぱり苦手だよ…ド鬼畜様は、こんなのが大好物なのかもしれないけど
後何回中にシたら、俺が満足した事になるの?

どうしたら状況が良くなるのか解らない分、俺も泣きたいぐらいだよ

※※※※※※※※※※※※※※

ベッドの上にジェイルを下ろすと、俺はすぐさま貞操帯のベルトに手をかけるのだけど
こちらにも封印が掛かっているのか?バチバチ放電して、俺の手を阻む 

楽しむも何も無いじゃないのさっっ 一体どうしろって言うのさっっ

思ったより強い魔力の反発で、ジンジンとしびれる手を摩っていると
その隙にジェイルはヨロヨロと身体を起し、再び俺のローブの中に頭を突っ込んでくる

「待って…ジェイル」

制止する暇もなく、俺のナニを探り当て、しゃぶりついてくる
その柔らかい刺激に、背筋がゾクゾクと震える、こんな事してる場合じゃ…
でも…はみ出した猫の耳に、腹筋をさわさわと刺激されながら、
でも何時もより強く、必死に吸い付いてくるソレに
あっという間に気持ちよくなってしまう俺も…やっぱり酷いのかな?

拘束解除の方法は、多分ジェイルの方が良く解っているだろうし
好きにさせる方がいいのだろうか?

まだベッドの端に、腰掛けたままだった俺は、
片足をベッドの上に上げて、立て膝をつく…ローブは羽織っていても
膝を割ったその格好は、俺自身も、少々恥ずかしいけど仕方がない

片脚と手でジェイルの頭を支えてあげれば、
拘束されたままの体勢での行為も、少しは楽になるだろう
より深くくわえ込んでくる、ジェイルの頭を撫でてやりながら

改めてその姿を見れば…やはり刺激的でエロいよな…

名前は知らないけど、グラビアとかではたまに見る拘束具だよね?これ?
勿論実物を見たのは初めてだけど…これはエースの趣味なのか?マニアックすぎだろ…

身体が極端に柔らかい奴だから装着出来る、拘束具なんだろうな多分
女の子ならともかく、男はここまで後ろに締め上げられたら…
脱臼してしまう奴だって居るんじゃないのか?

それどころじゃない…と解っていても、
コレ…もし俺が付けられちゃったら、どうなっちゃうんだろう?
なんて考えている自分に気がつき、軽い罪悪感を覚える

今?俺何を考えていたんだよ? 何か変だよ俺も…ココでそんな事思うなんて

ゾクリと危険な妄想が走ったせいか、
巧なジェイルの舌に翻弄されたせいか、どちらか解らないけど
あっと言う間に、ジェイルの口の中に吐き出してしまった
ゴメン…外に出すつもりだったのに、タイミングが………

ケホケホと咳き込んでいるジェイルの背中を、摩ってあげていると、不意に上がる小さな声

「ひぐっ…ああぁ……」

力なく垂れ下がる尻尾の下から、ズルリと音がして、シーツの上に黒い塊が落ちる

ガクガクと震えるその身体を抱きしめながら、ソレを見れば
後ろに押し込められていたディルト?なのかな?これは?
ベルトが外れて下に落ちたソレは、まだブルブルと震えている

色が黒いから実際より締まって見えるけど、ラバー製と思われるソレは
よく見れば結構な大きさで、エースのアレより大きいんじゃないの?
ついでに凶悪な凹凸がついている所を見れば…完全に尋問/拷問用なの?情報局の?

こんな代物を、ずっと押し込められていたのかと思えば…
若干の拘束願望が?あるかもしれない?俺でも…同情と痛々しさしか感じないよ

無理矢理、他魔にソレを強要してもやっぱりイイとは思えないよ

内側を嬲り続け、追い詰め圧迫していたモノが解除されたからか?
脱力したようにシーツにへたりこむ、ジェイルを助け起こすと、口元をぬぐってあげる

普通の悪魔なら?ココぞとばかり、更に追い込む場面か?
髪を引き掴んで、どちらかに自分の猛りを叩き込むのだろうけど
やっぱりそういう気にはなれない、ただ苦しめるだけと解っていればこそ
肩を抱きしめて優しく聴いてみる、喋られるかどうかは解らないけど

「ごめん…俺…こういうのって詳しく無いんだけど、アレでコレが解除されたなら
普通に抱いたら、他も順番に外れるって事なのかな?」
「解らない…ウチで開発した奴じゃないから…」

そう言われて腕の拘束を見れば…片足を切り取られた三本足の火蜥蜴の紋が
またか…またあの【変態工房】の製作のお道具ですか???

ダーナの奴…また調子に乗って、余計なオモチャを作りやがって…

解っている…奴にとってもコレは仕事だ、しかし同調しすぎなんだよっっあのド鬼畜と
いくら情報局長官のお気に入りでも、こうも彼方此方に被害が拡散するなら
何か理由をつけて処分した方が?いや、秘密裏に抹殺した方が良いんじゃないの?
とドス黒い思いが、一瞬頭をよぎってゆくのだが、今はそれどころじゃない

半泣きのジェイルから返ってくる答えは、酷く頼りなげだけど
ソレしか思いつかない以上、試してみるしかないのかな?

「なるべく優しくするから…もう少しだけ我慢してね」

苦しそうな肩を抱きしめると、その唇を深く貪る、おずおずと答えてくる舌を弄びながら
そのまま、するりと後ろに手を伸ばせば、ヒクリと震える身体と
漏れる吐息も悲鳴も、俺が全て飲み込んでしまう

それでもソコは…何の抵抗もなく、くちゅりと俺の指を受け入れる
あんなモノを突っ込まれていたのだから、当然だよね…
すでにすっかり柔らかくなっているソコを、ゆっくりと突き上げる
これで全て終わってくれれば、良いのだけれど…

勃ちあがる前を押さえつけられる、苦しそうな呻きに耳を塞ぎ、更に中をかき回す

そう…最初は普通に優しく抱いてあげた、それですぐに解放されると思っていたから

でも、前のソレは…それくらいでは外れなかった…一体どうしたら良いんだよ………

※※※※※※※※※※※※※※

情報局長官の執務室、壁一面の巨大モニターには
様々な場所に潜入している、自動探査機が送り込んでくる画像が映し出されている

まぁ俺の所にまで上がって来るのは、極一部の要注意対象者・要警護者のソレだけだが
無数に開かれたウィンドには、何時もとさして変わらない退屈な情景が写っている

だが…一番右下にライブで出しているソレは…個悪魔的なモノだ

監視?いや覗き見されている彼等は、同じ部屋のすぐ側の天井に
ステルス機能付きの目玉蝙蝠が居る事に気がついていない、ソレどころじゃ無いのだろう
ジェイルをトランクに押し込んだ時、一緒に中に忍ばせた…中の様子を逐一知る為に、
懲罰の一環だとしても…命に関わる様な、危険な目には遭わせられないから

基本的には、水妖系悪魔以外は、入る事の出来ない東の海から、
立て籠もった、ルークを引っ張り出す事には成功したのが………

お前…本当に悪魔なのか? 確かに水妖は、眷属意識の高い種族だ
同じ様な感情を、肉体関係もあるジェイルに感じていても、おかしくは無いのだが…

悪魔としては…どうなんだ?無駄にお優しいにも程があるだろうが…

ココまで徹底的にお膳立てしたのであれば、普通?悪魔らしい反応をするだろ?
本能のままに犯かして、貪って、切り裂くくらいの事は、するぞ普通に
親しい間柄であればこそ、命までは取らなくても…加虐癖が薄かったとしても

俺のホットラインには、困り果てたルークが、ガンガン連絡を入れてくるが
今のところ居留守を使い、着信拒否をしている 俺に指示されたからではなく、
ルークが自発的に、本能的にソレをしなければ…

わざわざ【危険なお膳立】てをした意味が、全く無くなってしまうから

しかし…これ以上、生殺しの状態が続けば…【可愛い猫】がもう持たないだろう
最悪、精神的にも身体的にもおかしな後遺症が残っては困る

今回は、諦めるしか無いのだろうな…ルークに逆の癖を、
悪魔らしい本能を、強制的に揺さぶり起こすのは…また後日だな

個悪魔的な用事で、今夜は外出するむねを秘書官に連絡しながらも
俺は煙草に火を付ける、この一服が終わるくらいまでは、
モニターの先の二名にも、頑張ってもらうとするかな………

他に聴かせない為に、絞っていた音声を上げれば
ジェイルの苦渋に満ちた、切なげなあえぎ声が、室内に響き渡る
それだけでもゾクゾクするのが、地獄では普通の感覚だ、俺だけではなく

コレで来ないのは、悪魔としては、完全に間違っているだろうに

ため息と共に大きく息を吸い込めば、煙草の灰がぽとりと床に落ちる

※※※※※※※※※※※※※※

ダメだ…封印解除の方法が、全く思いつかない…

でも…このままヤり倒したところで、状況は何一つ変わらない様に感じる

我慢も、もうとっくに限界なのだろう…俺の目をはばからずに、ポロポロと涙を流し、
子供の様にえずくジェイルが、らしくなくて、気の毒で居たたまれなくて

少し休ませてあげたくて、使用魔に飲み物と軽いモノを用意させるけど、
部屋の中に他者を入れるワケにも行かない
戸口の外まで、ソレを取りに行かなきゃいけないのだけど
疲弊しきったジェイルは、俺がちょっとの間離れる事すら恐ろしいのか?
泣きながらすがりついて来る…打つ手が無いと、このまま放置されるとか?
またあのトランクに詰め込まれ、送り返されるとでも思っているのか?

どれもしないから…するわけ無いでしょうに

あまりに必死なソレに、大丈夫だから、直ぐに戻ってくるからと、
側を離れるのも一苦労で…戸口に置かれたのソレを回収しに行くのだが、

もう一度状況を整理しながら考える、出来うる限り冷静に

エースならド鬼畜なら、何を解除の鍵にするだろうか?
何か見落としているはず?あのトランクの中には…手紙の他は何もなかった
だから心理的な事や、直接的な物理行為だと思うのだけれど

実際、後ろのアレは直ぐに外せたのだから、何かが鍵になるはずなんだ、何かが

奥のベッドに戻ると、もうクタクタのはずなのに…何とか前だけでも外そうと、
泣きながらえずいて、藻掻いているジェイルが、ただ可愛そうで…
俺は銀盤をサイドテーブルに置き、再度ソレに触れようとするけど…
バチリと飛ぶのは反発の火花だけで、俺の手も軽い火傷状態なのか?
かなり赤くなりはじめてるし、何だかヒリヒリと痛いよ…

それをただ、絶望的な目で見ていたジェイルだったが
突然?何かに気がついた様に息をのむ

「ーーーーッ」

ジェイルが何かを口にしようとした瞬間、突然黒いモノが割って入ってくる
触手の様に伸びた何かが、あっと言う間に頸に巻き付くと
鎌首を持ち上げたソレが、強引に口の中にねじ込まれる

「嫌っ…エース…もう許してっ」

悲鳴の全てを聞き取る事は出来なかった、テレパシーの方すら封じ込められるてるの?

咄嗟に手を伸ばして、引っ張り出そうとしたケド、間に合わない
バチンと音がする程の魔力反発を起こすと、俺が怯んだ隙にソレは固定されてしまう
ぎちぎちと後頭部にまで、絡みついた触手を見て初めて
ソレが先程ベッドの外に放り出した、凶悪なディルトである事に気がついた

「んっっんぐっ…んっ」

不自然に痙攣する喉と、溢れる唾液から察するに
中でソレは蠕動運動をして、喉奥まで蹂躙しているのだろう
溢れ出す涙がボタボタとしたたり落ちる、ソレを外に押しだそうと、
抵抗し藻掻いていた身体が、強制的に押さえ込まれ
徐々に静かに大人しくなる様を、特等席で見てしまう
常軌を逸脱した光景に、ただ唖然としてしまうが…コレもエースの仕業なの?

生きた道具?なのこれ?フと見ればソレにも、あの火蜥蜴の紋

何考えてるんだよっっ ジェイルだって、お前のお得意様だろうにっっ
やっぱりアイツは抹殺対象だっっ 信じられないよ有り得ないよ

そしてもう一つ、放り出していたパーツが有った事を思い出す
俺は慌てて棒枷を拾い上げると、例のトランクに放り込み封印の鎖をかけ直す
コレまで飛んでこられては叶わない、ああ…もう一体どうしたらいいのさ

ジェイルの側に戻れば、ディルトの動きは、もう止まっている様だったけど
息苦しさは、少しも変わらないのだろうに…力なくシーツの海に沈んでいる
曇った目には、何が写っているのかは解らない
ねぇ…さっき何を言おうとしたの?『心音』でそう訪ねても返事は無い
多分コレに阻まれているから、また下手にソレを、余計な事を伝えようとすれば
再び喉を抉られる事が解っているから…ただ泣く事しか出来ないのだろう

もう…本当にどうする事も出来なくて、

出口の無い、無力感から俺も一緒に泣きたくて、途方に暮れていると

ドンドンと部屋の扉を叩く音がする

「お取り込み中、申し訳ございませんっっ」

執事の声だ…何事か?と苛立ちを含んだ声で、返事をすれば…

「情報局長官様が、コチラに参られるそうです…如何致しましょう…」

エースがこっちに?あのド鬼畜ド外道が…俺の回線を散々無視したクセに
でも…この状況を何とか出来るのは、封印を施したエースだけなんだよね多分

「解った…いいからココに通して、エコー検査も必要無いから」

通常だったら…他族であれば尚更、どんなに親しい間柄であっても
ホールでウェルカムドリンクを出す間に、エコー検査をしているのだが
今はそれどころでは無い、一刻も早くこの場に来てもらわなければ困る

「しかし…」 と他族には用心深い水妖らしく、
慣例に従わないワケには…と続け様とする執事に一喝する

「いいからっ今日は特別っ ココの主は俺だっっ 命令には従えっっ」

何時もは下のモノにも温厚で、どちらかと言えば軽口な、主人のらしからぬ剣幕と態度に
執事は慌てyesと返事をすると、廊下を駆け戻ってゆく足音が、遠ざかってゆく

今回ばかりは…俺もはらわたが煮えくり返っているんだから………
魔力レベルが違いすぎて、マトモに喧嘩になっても、全然かなわないのは解っているけど
一発ぐらい殴らないと気が済まない…ド鬼畜でもやっていい事と悪い事があるだろうに

※※※※※※※※※※※※※※

何時もはゆっくりホールで待たされるのだが、今日は到着と同時に部屋に通される
使用魔達も一体何事か?と変にぴりぴりしている

そりゃそうだろう、目的の部屋から、ダダ漏れの冷たい波動は ココからでも解る
本気で怒っている時の水妖のソレだ、しかもココでは温厚で通っている主人のソレを
直接感じること事態が、初めての奴も多いのだろう、
遠巻きにコチラを伺う彼等の目は、一様に不安気なモノだ

「お客様をお連れしました…」

震える声で、執事がそう告げると、中から返事が返ってくる

「ご苦労様…ちょっと込み入った話になるから、この部屋の封印を最大限にしたら
お前達は別棟に避難して…最悪ちょっと壊れるかもしれないから…」

何時もより数段低いその声に、震え上がった彼等は
多分その怒りの元凶であろう客をもう一度見上げると、そそくさとその場を後にする
他族とはいえ、何時ものお客様なのに…一体何があったのか?
ニヤニヤと笑っている、その凶悪な顔を見る限り、
このまま穏便に事が済むとは、到底思えない… どうか主人に怪我が無い様に
そう祈る事しか、今の彼等には出来ないのだ 戦闘になれば自分たちは邪魔なだけだ

ルークの寝室やプライベートサロンでは無い、別の部屋に入るのは久しぶりだが
要注意者の客間なら、寧ろコチラも好都合だ…ちょっとした修羅場になっても
コチラも向こうも遠慮しなくていいだろう?使用魔と屋敷の破損を気にせずに?

外野が充分に遠ざかったのを確認して、ガチャリと扉を開けて、中に入ってみれば…
床の上に広がっているのは水?いや…さざ波が起こっている小さな海と言った所か?
空間が何処かに繋がっているのか?鏡の中から溢れ出るソレは
空気中の水分も取り込み、半分気体で半分液体の様な状態で部屋を埋め尽くしている

部屋の奥でジェイルを抱えているルークは、
深紫色の目をギラギラと光らせて、コチラを睨んでいる

地上だと言うのに、耳の上の鰭が広がっている所を見れば、珍しく本気で怒っているようだ…

地上では機能的に意味が無く、女悪魔に似ているから…と滅多に晒さないソレを見るのは久しぶりだ、
艶やかなその姿に、思わず感嘆し口笛を吹くが、多分神経を逆撫でしただけだろうな…

「その姿も久しぶりだな、お姫様、俺のプレゼントはお気に召さなかったかな?」

「気にいるもクソも無いでしょ…やってイイ事と、悪い事があるでしょう?
残念だけど、俺には解放してやる事が出来ない…アンタに頼むしか無いのも解ってる
でもその前に一発ブン殴らないと、俺の気が済まないんだけど…今回は…」

ゆらりとルークの輪郭がゆらめいたかと思えば、ただ周りを漂っていた水が集まり
竜巻と氷を形成すると、巨大な無数の刃物に変化、一気に黒衣の悪魔に降りかかる
ソレは目標と、壁と床の防御に衝突して反発 派手な水煙が連続して上がる、
もうもうと立ちこめるソレに、一瞬視界が真っ白になったのは…火炎系のエースの防護結界と俺の力が反発
小規模の水蒸気爆発が起こっているからだろう
砕けた氷塊の欠片が、バラバラと辺りに拡散する様子を、思ったより冷静に見ながら

一発ぐらいはヒットしたのか?と腕の中の相方を抱きしめ、目をこらせば

唐突に吹き上がる紅蓮の炎、エースを中心に周囲の水分が、蒸発しているのが見える

嘘…屋敷が崩壊しない様に、多少の手加減はしたけど、結構本気だったのに…

同じ上級悪魔でも…魔力レベルが全然違うから、かなわないのは解っているけど
今日ばかりは…ココで引くワケにはいかない、外界ならともかくココは俺の領域の中だ
最悪この部屋も、この棟自体も、バラバラになっても構わない
何なら地上では消耗が激しすぎる、海竜の姿に戻っても構わないから、
最大出力で勝負してやる…それくらい本気を出さないと、殴れないならソレでもいい

バチバチと放電しながら、上がってゆく俺の攻撃魔法の波動と
ざわめく水の中央に立ちながらも、相手は口角を上げ、涼しい顔でコチラを見ている
多少は困った様子を見せながらも、吸いかけの煙草を投げ捨てずに、炎で燃やしつくすと
その手をさしのべて、突然とんでも無い事を言い始める

「OK…解った…後で殴らせてやるから、先にソイツを渡してもらおうか?
いい加減解放してやらないと、気が狂っちまうだろう?」

ヤる気があるのか?この男は?完全に舐められてるよね俺…

カッとなって一瞬、当たりを全て、水没させようかと思ったけれど…
そうだ…その前にジェイルを何とかしてやらないと、本当におかしくなってしまうかも

このド鬼畜をボコボコにとっちめるのは、その後でもいいはずだ…

振り上げた拳の下ろし所が解らないのか?少しだけ、ルークは狼狽えはしたけれど
一時休戦と言う形で、武装魔法を解く 海に繋がった空間が閉じれば

攻撃で破損した部分はそのままでも、部屋は元通りに…
空間全体が、半分水中の様な状態だったのにも関わらず、水浸しになった様子も無い

水妖の武装発動の後のコレは、いつ見ても不思議なモノだ
確かに加湿気味の空気には、少しだけ海の香りが残ってはいるが

まだ興奮状態が収まらないルークに、ツカツカと近づくと
半分意識がぶっ飛んでる、その腕の中のジェイルに声をかける

「やれやれ…何時になっても、お姫様がお前を解放出来ないみたいだから
王子様が迎えに来てやったぜ…ん?少しは反省したか?」

俺の声に気がついた猫は、ガタガタと震えはじめるが
その怯えきった表情がまた良くて、俺はその汗まみれの額にキスを落とす

「ちょっと…」

怖がらせてどうするのさ…ギロリと俺を睨むルークに構わず
その腕からジェイルを奪い取ると、丁寧とは言いがたい状態で、ベッドに押しつける

組み敷かれても尚、泣きながら藻掻くその姿に、思わず止めに入ろうとすれば
何コレ?いつの間にか張られた結界が、ルークの侵入を阻んでいる

「いいから…お前はソコで見学していろよ…」

こういう時は、どうしたらいいのか実践で教えてやるよ…

うんざりする程、凶悪な顔をすると、エースはジェイルの身体をまさぐりだす
口は封じられているはずなのに、快楽とは言いがたい、悲痛な悲鳴だけが聞こえる

抱え上げられ、エースの背中側にはみ出した足が、痙攣しながら苦しげに宙をかくのが…いたたまれない

やっぱりこんなド鬼畜の提案なんて、聴かなきゃ良かったかも
でも封印が解けるのが、エースだけなら…黙って見てる事しか出来ないの?

今なら…この結界ごとエースをぶっ飛ばす事は…出来るかもしれないけど
無防備なジェイルがいるから、ソレも得策とは言えない

事が済んだら、封印解除が済んだら、この分も含めて殴るしかないのか

俺の屋敷の中で好き勝手されながらも、何も手出し出来ない自分が歯がゆくて仕方無いよ



まだ続く…

鬼畜&生々しすぎる部分を、これでもかなり削除したんですが
う〜ん…冷静に読み返してみると、酷すぎるな〜相変わらず
頭に虫がワキすぎました…全国の代官宗の皆様、大変申し訳ございません

さあ…次回で円満解決するのかなぁ…

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