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「!?」
「……どうした?」
徹の家でのんびりゲームをしていた俺は不意に目に入ったカレンダーに驚愕する。
「今、2月…?」
「そうだけど」
「今日は14日…?」
「うん」
「………………」
――バレンタインじゃん!!!
「………もしかしてバレンタインとか考えてる?」
「う゛っ!」
「忘れてたー、何も用意してないー、とか?」
「……ごめん…」
俺を後ろから抱きしめる様に座り直した徹は首筋に唇を付けて、微笑む。
「別に。チョコもらえるのも嬉しいけど、こうすんので充分」
「ん…」
「あ、そうだ」
後ろからの重みが減り、ガサゴソと音が聞こえるから不思議に思って振り返る。
「はい、あーん」
「?」
反射で開いた口に押し込まれた固形物。暫くして広がったチョコの味。
「チョコ?」
「そう。はい、口開いて」
「?なっ、」
「ん」
美形が近づいてきて、唇が触れ、いきなりのことに思わず目を見開いてしまう。唇にヌルリと舌を感じて口を開いてしまい、更に入り込んできた。
「んっ、っ」
口の中にある溶けかけたチョコを舐めとり、唾液ごと吸うように唇が合わさる。
「んんーっ」
ちゅぅ、と鳴る音に恥ずかしさで顔が熱くなっていく。息つくのも間に合わなく、ドンドンと徹を叩くが当たり前に反応は無い。
「ん、ふっ、むぁ」
最後に唇を噛まれ漸く離れた。気持ち良さと息苦しさではぁはぁと上がる息を整えるので精一杯だ。
「……エロっ」
「はっ、はっふ、っ」
そう言う徹も、自分の口端を拭う仕草のカッコ良さといったらたまったもんじゃない。
「ホワイトデー、楽しみにしとくから。彩からのチョコ旨かったよ」
伸ばされた徹の手が俺のまだ垂れたままだった唾液を親指で拭う。それを口に運び舐めとる。
「な、に…それ……」
――あれ?でもこれじゃあ俺がチョコあげたってことになるんじゃ……?
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