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近づいてくる美形。銀色の髪が俺の髪と混じるように触れてくる。
止めようと体を押すが体格差からして止まる訳もなくて、あと5センチも無いんじゃないかってぐらいのとき、救世主が現れた。
「クッソてめぇ!何してんだよ!」
露影さんの顔が大きな手で覆われ離れていく。
すぐ後ろで少し上がった息づかいが聞こえる。振り替えれば朝、夕方迎えに来てくれると言って別れた宵千がいた。
「酷いなぁー、あらぁ?【46】からの依頼仕事ぉ、終わったのぉ?白木 宵千」
「ああ!とっくにな、いいから離れろっ!」
荒々しく声を上げる宵千。俺を露影さんから隠す様にして間に入る。
「やぁーこわぁーい!」
「うるせぇ、彰てめぇ今何しようとしてたんだよ!?」
「ちゅー」
口を3にする露影さん。思わず吹いてしまうが、それより宵千が"彰"と露影さんを呼んだのが驚きだった。様子からして知り合いなのだろうが宵千と露影さんにどんな繋がりがあるのか。
「許さねぇ絶対許さねぇ!」
「はぁ?なんで今生 彩とキスするのに白木 宵千の許可がいるの?」
「っ!」
それを最後に沈黙が流れる。宵千の顔は見えないけど耳がほんのり赤くなっていた。
「?」
「と、とにかく!彩に近づくんじゃねぇよ」
「はっ、無理だー。明日も明後日も今生 彩とお散歩するからぁ」
「えっ!?」
「はあ゛っ!?」
そんなことされたら報告書が書けない!
「ねぇ、今生 彩ぁー」
"お散歩しないと追い出すよぉ?"と目が物語っていて反論出来なかった。
そして、本当に2日とも露影さんと【46】をお散歩しました。
ちょいちょいセクハラをされながら――――。
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