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「失礼します。【ill wil――」

「あーそんなのいいからぁこっち来てぇ」

幹部室に入ると目を疑った。散らかり様が半端なく、床には雑誌や服が散乱し机に座っているだろう露影さんはゴミや書類やらで姿さえ見えない。
耳につく声をたどって机の横まで行くと、露影さんの姿をようやく目にした。
ぼさぼさの銀色のミディアムヘアは後ろで雑に一つくくりにされ外からの光で輝いていた。顔を上げた露影さんは整った顔に満面の笑みを浮かべた。

「噂のぉ今生 彩登場ぉー」

「……はい?」

「いやぁこっちの話ー」

「?」

「初めましてぇ露影 彰でぇーす!」

「こちらこそ初めまして。【ill will】事務課の今生 彩です」

握手をすれば、そのままギュッと握られ引っ張られる。

「お散歩しよっか!」

「えっ?」

「【46】初めてでしょ?案内したげるよぉー」

「はぁ…ありがとうございます……?」

露影さんは立ち上がると俺の手を引っ張り床の物を躊躇いもなく踏みつけながら歩き出した。

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あきゅろす。
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