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次の日の朝、混雑を抜けた11時ごろ、静かになり始めた事務課に颯爽と現れたのは徹だった。

「おはよう、彩」

「あっ、おはよー」

美形が放つそのにっこにこ笑顔の威力は、事務課の女性たちを虜にするだけではなく彩さえも見惚れてしまうほどだった。彩は苦笑いを浮かべながらすぐ側に待機させていたIDを徹に渡す。

「はい、ID。再発行できました」

「早かったな、ありがと」

「俺が悪かったから。待たせる訳にはいかないし」

彩は本日二度目の苦笑いを浮かべた。一方、徹はその表情の原因を述べるため口を開く。

「彩にしてもらいたいこと、考え付いたんだ」

声といい顔といい仕草といい無駄にイケメンだな、と彩は考えながら徹を見上げた。

「何?俺に出来ることだからな」

「あぁ、俺ん家、模様替えしたいんだよ。手伝って」

「え?そんなことでいいの……?」

今までの徹の楽しそうな表情から彩は自分にこんな顔をさせることができるのかと内心心配していたが意外とあっさりとしたことに拍子抜けされた。

「ついでに報告書、書くのも手伝って」

「そんだけ……?」

「うん、だめ?」

「全然」逆にそんな簡単なことでよかったら、と笑顔を溢した。

「いいよ」

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あきゅろす。
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