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五感から、皮膚から、感じ取る刺激は俺の中で上手く処理されなかった。ゆえに、ただ立ち尽くすしかできなくグワァと身体が揺れる。

「、あっ…あき、ら、っ!」

嗚咽のせいでくーたんの声は出しきれていない。

血唾を引きながら地面に横向きで項垂れる露影さんを自分の膝に乗せたくーたんは涙を溢していた。露影さんとくーたんが血に染まっていく。赤く、それはとても目に刺さるぐらい赤く。


露影さんは刺されそうになった俺を庇い代わりに刺された。冷や汗が止めどなく出て、全身を伝う。


力が入らない身体を何とか動かし露影さんに近づこうとしたとき、後頭部でピキッと音がした。


途端、頬にチクリと針で刺されたような、痺れのような痛みが走る。

「いっ、っ!」

その似た感覚を感じた事はあるが、痛みの強さが今までにないほどのものだった。

痛みは頬に止まらずに首を伝ったかと思えば、一気に全身を駆け巡った。

「あ゛っ!がっ……」

ヒュッヒュッと浅い呼吸しか出来ず痛みと苦しさで膝が折れそのまま地面に突っ伏してしまった。

「彩っ!」

宵千の声が聞こえたと思ったら滑り込んで俺の側に宵千はいた。

「おいどうした!?彩っ?彩っ!?」

露影さんのように抱き起こされ声をかけられた。その間も痛みは止まらず悲鳴にならない声が出るだけだった。

「いっ!あ゛っ、はっはっ、……った、っ」

突然現れた異質な痛みに恐怖が現れるのは言うまでもなく、その間絶えずあったことはまた、我が侭だった。


――痛い痛い痛い、嫌だ怖い痛い、

――助けて、徹……っ!

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あきゅろす。
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