11
【side other】
「ほらほら、制限時間はあと少しだよ?」
「……っ…」
「あっ、もしかして疑心暗鬼かな?それは駄目だよ。徹は何のために【ROLL】に来たの?本来の目的を見失ったら救えるモノも救えないよ」
葎は首を傾げ口端を微かにあげた。せせら笑いをするかのように。
「それより、俺のところ来る前に居ないといけないところあったでしょ?」
徹はその言葉に弾かれたように走り出した。いま来た道を引き返す。
徹は目が覚めたようにぐちゃぐちゃだった頭の中がスッキリして、一番大事な事を忘れていたことを思い出した。
目指す中庭へ早く急げと徹は胸を痛めた。
「幸せになりなよ、ははっ」
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!